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テクノロジー

ヤフーのIPv6への取り組み Continue: IPv6共同実験

IPv6 logo

はじめに

特集ページにて公開していますが、いくつか実験を行いましたので、Techblogにて説明をさせていただきたいと思います。

フォールバックに関する影響調査

IPv6でコンテンツ配信を行った際に発生する、フォールバックによる影響調査をBBIX株式会社と行いましたので説明したいと思います。

端末側での計測

BBIX株式会社で各種端末と試験回線を準備していただき、Yahoo! JAPANのサイトへのHTTP通信をキャプチャーし通信時間を計測していただきました。

IPv4のみのウェブページ(download.yahoo.co.jp)と、IPv6を追加登録したページ(v46.downloads.yahoo.co.jp)に関して、通信時間を比較しました。各環境の通信の開始から終了までの時間を平均し差分を出したところ、フォールバックなしの方が短い時間で通信を終えているのがわかります。

サーバー側での計測

以前のTechblogでも使用したビーコンを使い、ある一定期間、調査しました。
今回使用したビーコンは以下の2種類だけです。

v4Aレコード登録
v46A/AAAAレコード登録

上記ビーコンのダウンロード時間を計測し比較します。

v46ビーコン(IPv4でアクセスしたもの)のダウンロード時間 - v4ビーコンのダウンロード時間 = ダウンロード時間差

Yahoo! JAPANのサイトから見て、インターネット全体でのダウンロード時間差の割合は下図となり、ほとんど時間差がないところに分布されているのがわかります。

今回、調査したい内容としてはフォールバックが発生するであろう環境でのダウンロード時間差でありました。
しかしながらYahoo! JAPANでそちらを限定するのは難しかったため、ソフトバンクBB株式会社のご協力の元、CPE(宅内設備)がIPv6パススルー(IPv6ブリッジ動作)となっているものを限定していただき、上図データと突き合せを行いました。

下図が結果ですが、インターネット全体と比べて全体的にダウンロード時間差が増加しているのがわかります。

なお、ソフトバンクBB株式会社では、こういった通信遅延などの事象を回避するため、現在はAAAAレコードを排除するサービスを提供しているようです。

まずはモバイルから

サブタイトルの通りですが、Yahoo! JAPANとしてはまずはモバイル向けにIPv6の推進を行う事としました。
各種インターネット網に関して、IPv6インターネットに対応していない網にコンテンツサイドが先に対応することにより、網側も対応しやすくなるのではと考えています。
また、急激に成長しているモバイルネットワークに関して、フォーカスして対応してく行く事が重要だとも考えています。そこで今回はソフトバンクモバイル株式会社のご協力の元、3G回線向けにAAAA配信を行う事としました。

ソフトバンクモバイル株式会社の3G回線では現在IPv6を利用していませんが、この状態にしておく事により、ソフトバンクモバイル株式会社の都合の良いタイミングでIPv6に移行する事が可能になると考えています。

おわりに

次回は配信方式に関する調査をお伝えしたいと思います。

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