2010年1月22日

イベント

Yahoo! JAPAN Internet Creative Award 2009
一般の部 グランプリ
『Blogopolis』の浜本階生さんインタビュー

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昨年11月に受賞作品が発表された、Yahoo! JAPAN Internet Creative Award 2009(以下「YJICA」)。「一般の部」でグランプリを獲得した『Blogopolis』の開発者、浜本階生さんにお話をお聞きしてきました!


Blogopolis


●『Blogopolis』開発秘話


Blogopolisは、主に国内で開設された26万件(12/22時点)以上のブログを3Dの仮想都市景観にマッピングしたサイト。
はてなブックマークの1つのブックマークエントリーが1つの建物として表現され、高さが購読者数、面積がはてなブックマーク数になっています。ブログにつけられたタグをもとにカテゴライズし、似た記事同士が集まって表示されています。

【参考リンク】


『Blogopolis』のアイデアは、どのように生まれたのですか?
「2008年の春ごろに読んだ論文がきっかけ。ツリーマップと呼ばれるデータの2次元平面のマッピングに関するものでした。従来のツリーマップは、平面を長方形などの縦横垂直な平面で区切って見せるものでしたが、この論文では不定形……ボロノイ図というアルゴリズムを使って、六角形、八角形などと角度を自在に区分けできるというものでした。それを見たときに、“これは土地の区分けと、見た目が似ているな”と思って、まず『Blogopolis』の前身である『HatenarMaps』というのをつくりました。そのときはあくまで、土地のイメージということで、2次元だったのですが、“土地があると建物建てたくなるよね”ということで、3次元にしたものが、いまある『Blogopolis』です。」


仕事の傍ら、個人的に開発を進めてきた『Blogopolis』、その開発環境は?
「自宅にあるサーバー4台ほどで運用しています。1台はクローリング、1台はデータベース、1台はアプリケーションの計算の部分、というふうに分けていますが、ちょっと家電の電力消費が上がると、ブレーカーが落ちてしまう、とか、そんな環境でした(笑)。この先、もう少し収益化ということも考えていけたらと思っています。」


仕事の傍らということですが、開発に要した期間は?
「だいたい1ヵ月半くらいですね。ノートパソコンを持ってマクドナルドなどで作業していました。自宅だと遊んじゃって、なかなかしっかり作業できないし、無線LANが使えるところも多いので、かなり通っていました(笑)。」


遊んじゃうんですか?
「これは『8:2の法則』みたいのがあって、家にいるときも2割の時間は、すごい集中してやれるんですよ。でもそれ以外の8割の時間は、どうしてもやる気が出ないんですよね……。プログラミングそのものが、どうしてもそういうところがあるとは思ってるんですけど。けど、その8割の時間をマクドナルドに持っていけば、強制的に集中状態をつくれるんじゃないかと。」


●情報の可視化への情熱


ビジネスインテリジェンスツール ―データを可視化するソフト― の開発、販売を仕事にしている浜本さん。学生時代から、その会社でアルバイトをしていたことから、「情報の可視化」ということに自然と興味を抱いていったのだそう。
2007年に価格.comのWebサービスコンテストで最優秀賞を受賞した『EatSpot』は、「食べログ」のAPIを活用して、地図上の飲食店情報を模様として表現。2008年にMashup Awards 4で優秀賞とテクノロジー賞を受賞した『Newsgraphy』では、日本のニュースを可視化して表現しています。


EatSpot



Newsgraphy


情報を可視化して、ユニークなUIにのせる、ということをずっとされていますね。
「『EatSpot』では、全国にある万単位でのお店を、上位のものだけではなく、すべてのせてしまうことにしました。そこにフィルターをかける。たとえば“中華”というフィルターをかけると、上野のほうが盛り上がったり、“フレンチ”でフィルターをかけると、麻布や六本木のほうが盛り上がってきたりする。1件1件のお店の情報ではなく、それを全部集積したうえで、模様として把握する、ということがやりたかったんです。『Blogopolis』も、ブログ1件1件を見るのではなく、ズームアウトしていくと、日本のブログ界としてみることもできるというように、情報のひとつひとつ、ではなく、高次なレベルでの情報理解を助けるものができれば、と思ったんです。」


そのモチベーションはどこから?
「コンピュータをずっと使っていると、脳のなかのイメージと、コンピュータを通しての作業のミスマッチってあるんです。脳内では大雑把な把握。自動的に考えをツリー構造にするというようなことをしています。その形も、可塑性があるというか、ダイナミックに変わっていると思うのですが、コンピュータでそれをうまくあらわす手段が今のところあまりないんですよね。何か検索しても、リストで出てくるだけで、まとめて見せるというものがないと思って。だからこそ、それをやりたいなというのはあります。」

●使ってもらって、フィードバックを受ける……それがモチベーション


中学1年のときに、Basicから、はじめてゲームプログラミングに入っていったという浜本さん。
高校生のときは、フリーウエア、シェアウエアを作って配ったり、その後はWeb上でアプリケーションを公開して各種コンテストに応募したりと、多くの人に使ってもらえる場を見つけて作品を公開してきたといいます。


YJICAのほかにもさまざまなアワード、コンテストに応募されています。
「『客観的にみて、自分のつくったものがどうなのか?』ということを知りたくて。昔から『BASICマガジン』に投稿したり、県のプログラミングのコンテストに出したりして、フィードバックを得る機会をもつようにしていました。普段は、つくっても“こういうものがあるね” “おもしろいな”程度の反応だけれど、その点コンテストでは、きちんと評価という形でフィードバックが得られるのがいいですね。」

今後Web系のコンテストに参加する人に、何かメッセージはありますか?
「いまは“巨人の肩に乗る”ことができる時代。『Blogopolis』などもそうですが、Web上の膨大なデータ、ソーシャルなデータを持ってきて加工する……ということができます。だからこそ、世の中の空気や流れを読んで、うまくいろいろな要素を持ってきて、なるべく広く使われるようにすることが大事かなと思います。はじめからウケるものを狙っていくことがひとつの能力になってきているな、と。と同時に、表面的にデータを組み合わせるというのではなく、リソースが豊富になってきた時代だからこそ、組み合わせ方をよく考える必要があるなと思いますね。」

【浜本階生さん プロフィール】
1981年生まれ。栃木県出身。東京工業大学情報工学科卒業。
技術やアイデアの組み合わせから面白いソフトウェアを生み出したいと日々考えている。共訳書に『実用Subversion 第2版』(オライリー・ジャパン)。

『日経パソコン』 1/25号で、浜本さんのより詳しいインタビューが掲載されています。
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