こんにちは、Developer Relationsで学生向けハッカソンHack Uのプロデューサーを担当している中村です。今回はこれまで対面でやってきたHack Uチーム主催の初学者向けワークショップをオンラインで開催しましたので、どんな形で運用しているのか、その内容と共にご紹介します。
Hack Uとは
何度かYahoo! JAPAN Tech Blogでも取り上げられていますが、Hack Uはヤフー主催の学生ハッカソンです。限られた期間の中でプロダクトを学生自ら企画・開発・発表する点は通常のハッカソンと変わりありませんが、大きな違いは、期間中にヤフー社員がさまざまな面でサポートを行う点です。ヤフーのサービスを日常的にアップデートしている現役クリエイターからアドバイスをもらいながら開発したり、コミュニケーションを取ったりする機会を求めて毎年多くの学生たちが参加してくれています。
昨年夏のオープン開催は参加者が述べ500人を超え、素晴らしい作品を発表してくれました(小学生以上の学生であれば誰でも参加可能で、東京、名古屋、福岡、大阪、仙台の全国5会場で開催)。詳細については別記事にて紹介されていますので、そちらをご覧ください。
参考:ヤフー主催の学生ハッカソン「Hack U 2019」今年は全国5会場で開催しました!
初学者向けワークショップ
われわれはHack Uを通じて、学生の皆さんがクリエイターになるきっかけを提供したいと考えています。そういった観点から初学者やこれからチャレンジしてみようと思っている人でもハッカソンへの参加を歓迎しています。ですが、いきなり参加しても作れるのか自信がない、という方もいると思います。そういった方向けに初学者向けワークショップも併せて開催しています。
初学者向けワークショップではHTML、CSS、JavaScriptを使ったものづくりを体験できます。最初のステップとして「お絵かきソフト」や「数字クリックゲーム」などを作ることをゴールに設定しており、徐々にレベルを上げていく形で今後も実施していく予定です。こちらのワークショップもハッカソンと同様にヤフー社員がサポートしながら一緒に作っていくので、非常に学びやすい環境になっていると思います。学生の皆さんはぜひ参加してみてください。
ワークショップの流れと役割
ここからはオンラインで開催した初学者向けワークショップの運用についてのノウハウと気をつけていた点などをまとめていきます。まず、会全体の大きな流れです。
- Zoomに入室してもらう
- ワークショップの流れを説明する
- 演習内容を説明
- ブレイクアウトルームで少人数のグループに分かれて実習
- 実習が終わったらブレイクアウトルームを解除
- 実習していた部分を詳細に解説する
- 3に戻る
- 演習がすべて終わったら懇親会
開発前から少人数に分けて交流を
Zoomはワークショップ開始の15分前からオープンさせており、参加者が入室した順番にブレイクアウトルームに振り分けていきます。ブレイクアウトルームとは参加者をグループごとに部屋分けすることができる機能です。講義は全体で行いますが、ワークショップの時にはこのブレイクアウトルームを利用して、少人数のグループに分かれて行います。そのため、事前にブレイクアウトルームに入って一緒に実習する参加者やサポーター社員と交流をしてもらっています。これは、お互いの距離感を縮めて話しやすい雰囲気を作り出し、よりスムーズに実習に入ってもらうことを目的としています。
ZoomとSlackは同時併用で
参加者とコミュニケーションを取るツールはZoomとSlackを利用しています。ZoomだけでなくSlackも利用することで、音声だけでは伝わりづらい部分を補足したり、実習時にコードスニペットを駆使して参加者をフォローするなど、ツールを両立させることで参加者にとって使いやすい形を提供しています。また、Zoomだと1人の質問しか受け答えができなくなってしまうため、Slack側で別の質問に対して答えるといった点でもメリットがあります。
ここで運営上重要なポイントが1つあります。参加者には事前にZoomとSlackで使う名前を統一するようにお願いしています。Slackのgeneralチャンネルで質問を投げるようにしてしまうと追いづらくなってしまうため、冒頭の交流タイムの間にブレイクアウトルームと同様のメンバーが入っているSlackのチャンネルを作ります。質問するチャンネルをルーム単位にすることで、質問を追いやすくする環境を作ると共に、各グループごとの進捗管理にも使えるため非常に便利です。
講師だけでなく、オペレーターなども
次にワークショップ開催側の体制ですが、主にこのような感じで分けています。
- 講師:1名
- サポーター:10名程度
- オペレーター:1名
それぞれの役割ですが、講師は講義の資料を作るところから始まり、ワークショップ当日は講義を行うことに集中してもらっています。サポーターはブレイクアウトルームで実習をする際に参加者のサポートをする役割を担っており、参加者5人に対して2,3人の割合で振り分ける形で実施しています。このうち各部屋のサポーター1人には各部屋でのファシリテートもお願いしています。そして、オペレーターはZoomのブレイクアウトルームを分担や、全体のスケジュール管理などを行っています。オンラインならではの課題にはなりますが、ネットワークの不具合で落ちてしまった参加者の対応なども行う役割になっています。
このように役割を分担することで、より参加者に満足してもらい、ものづくりを面白いと思ってもらえるようなワークショップ作りをしています。
社員は名前と背景に統一感を出す
もう1つのポイントは、社員の表示名とZoomのバーチャル背景を統一して、スタッフ全体に統一感をもたせることです。上の図を見てもらえればわかりますが、表示名は「ヤフー◯◯」、背景はけんさくとえんじんに統一することでスタッフが誰かすぐ判別することができます。このように、スタッフをすぐ認識できるようにしておくと、参加者が誰に声をかければ良いのかがわかるため、実習中にも速やかに質問を受けることができます。
まとめと予告
いかがでしたか。ワークショップをオンラインで開催することにメリット、デメリットはあると思います。そして、オンラインで開催するのは大変そうなイメージを自分も持っていたのは間違いありません。ですが、実際にやってみると開催に対する負荷の差はそこまでないようにも感じました。今まではワークショップを開催するとなると、ヤフーのオフィスがある東京、名古屋、大阪でやることをメインで考えがちでしたが、今後は全国の学生の皆さんに参加してもらえるようにオンライン開催とオフラインでの開催を両立できるようにやっていければと考えています。
直近では6/17に「数字クリックゲーム」を作るワークショップを開催します。connpassでイベントページを公開していますので、興味のある方はご参加いただければと思います。併せて、今年はOpen Hack U 2020と題してハッカソンを全国8会場で開催する予定でしたが、こちらをオンライン開催に切り替えます。これらのワークショップやハッカソンの詳細はHack UのTwitterアカウントで今後も告知していきますので、フォローよろしくお願いいたします。
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