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テクノロジー

ヤフーの学生向けハッカソン Open Hack U 2022 を総括します

こんにちは! ヤフーのシステム統括本部でエンジニアをしている小川です。

ヤフーが主催する学生向けハッカソン「Hack U」をご存知でしょうか?
この記事では、2022年度に開催したHack Uの様子や、利用された技術の傾向をレポートしていきます。記事を通して、参加した学生たちの熱気を少しでも感じ取っていただければと思います。

Hack Uとは

Hack Uは、限られた期間内で学生自身がプロダクトの企画、開発、そして発表を行うハッカソンイベントです。小学生以上の学生であれば誰でも参加可能で、2人から6人のチームを組んで、開発した作品を競い合います。

最大の特徴は、ヤフー現役社員が参加チームのサポートにつくことです。エンジニア・デザイナー・プランナーなどさまざまな職種の社員が参加しており、開発中に困ったことはDiscordやZoomを使って相談できます。ハッカソン初心者でも気軽に参加できて、ものづくりの楽しさを存分に感じられるイベントとなっています!

2022年度は、各学校との個別開催に加え、全国から誰でも参加できるオープン開催を4回行いました。そのうち3回はオンライン開催、1回は約3年半ぶりのオフライン開催で、ヤフー大阪オフィスで発表会を行うことができました。
どの開催も作品のレベルが高く、社員も刺激をもらってばかりでしたが、この記事ではそんな作品の一部を紹介していきます。

Open Hack U 2022 夏開催

夏開催はどちらもオンラインで行い、全国から計50チームのエントリーがありました。
※ TOKYOはオフライン開催を予定しておりましたが、情勢を鑑みてオンライン開催となりました。
キックオフイベントで一斉にスタートを切り、2週間後の発表会に向けて、各チーム工夫しながら作品を作り上げていました。

そして迎えた発表会当日。各々180秒の発表時間で存分に作品をアピールしており、画面越しでも熱気が伝わってきました!発表会全体のYouTube配信や、受賞作品の一覧は以下のサイトで見ることができます。ぜひチェックしてみてください。

作品紹介

Hack Uでは、以下の4つの観点で審査員が作品を見て、優れた作品に対して賞が贈られます。

  • 新規性(技術や組み合わせのオリジナリティーがあるか)
  • 技術性(利用している技術は高度か)
  • 発展性(将来どの程度の波及効果が期待できるか)
  • 再現性(アイデア、プレゼンテーションだけではなく実際に動くものがあるか)

ONLINEの最優秀賞は、チーム「Hack Family」の「X_Clothes」(発表会の動画はこちら)。
自分のプロフィールと服装を登録しておくと、街中ですれ違った人が服装を評価してくれるサービスです。
評価される側は、自分の服装がどんな年齢層・性別の人に「いいね!」をされたかが分かるのですが、評価する側も「いいね!」をした服装のブランドや金額が分かるので、双方にとってメリットがあるように考えられた仕組みになっていました。
Open Hack U 2022 ONLINE 最優秀賞 - X_Clothes

TOKYOの最優秀賞は、チーム「たなかラボ」の「雨の日のナビ」(発表会の動画はこちら)。
アプリで目的地を設定すると、矢印が書かれた傘が目的地の方向へ回ることで、道案内をしてくれるという作品です。傘の持ち手に取り付けるデバイスとアプリが連動しており、荷物の多い雨の日の移動に大活躍しそうでした。
この作品は、会場投票賞である「Happy Hacking賞」も獲得しており、多くの人のニーズを捉えたようです。
Open Hack U 2022 TOKYO 最優秀賞 - 雨の日のナビ

夏開催の様子

夏開催はHack U初参加の学生が全体の8割を超えていたこともあり、ヤフー社員のサポートを存分に活用いただけたようでした。
作品の傾向としてはWebアプリ・スマホアプリが大半を占めており、身近な課題から着想を得て、日常生活にすぐに取り入れることができるようなサービスが多かったように思います。
また、最優秀賞の作品にも見られるように、オフラインで使うことを想定した作品も少しずつ増えてきたような印象でした。

Open Hack U 2022 春開催

春開催はオンラインとオフラインの2開催で、計52チームのエントリーがありました。
どちらの開催も盛り上がりましたが、とくに「Open Hack U 2022 Spring OSAKA」は、久しぶりに直接学生と社員が顔を合わせることができ、感慨深い開催となりました。
Open Hack U 2022 Spring 集合写真

こちらも、YouTube配信や受賞作品の一覧を以下のサイトで紹介しています!

作品紹介

ONLINEの最優秀賞は、チーム「tonpei」の「Rhizome」(発表会の動画はこちら)。
グラフ構造を採用した議事録ツールで、音声認識でリアルタイムで議事録を作成するだけではなく、トピック単位での検索を可能にします。
発表では、他チームの発表がツールを使って実際に書き起こされており、作品の威力を実感できるデモンストレーションになっていました。技術力もさることながら、普段から議事録をとるのに課題を感じる社員の胸にも刺さる作品だったのではと思います。
Open Hack U 2022 Spring ONLINE 最優秀賞 - Rhizome

OSAKAの最優秀賞は、チーム「ヌーブズ」の「VBTwatch」(発表会の動画はこちら)。
Velocity Based Trainingというトレーニング法で筋トレができるwatchOSアプリです。
Apple Watchを使うことで、挙上速度に基づいたベンチプレストレーニングを安価に行うことができるというものです。
コロナ禍に入ってから筋トレに関する作品が増えた印象がありましたが、その中でもかなり実用性が高く、長く使っていけるアプリだと感じました。
Open Hack U 2022 Spring OSAKA 最優秀賞 - VBTwatch

春開催の様子

春開催も夏開催同様、Hack U初参加の学生が大半を占めていました。とくに、知人や先生からの紹介で参加してくれた学生が多かったようなので、今回の参加学生からまた他の学生へとどんどんHack Uが広まっていってくれたらと思います。
作品の傾向としてもやはりWebアプリ・スマホアプリが多かったですが、OSAKAはオフライン開催なこともあり、ハードウェアが少し増えていました。実際に触って体験できるハードウェア作品は、展示会でも人が集まっていました!

作品や使用技術の傾向

Open Hack U 2022を通して、作品形態や使用言語、使用技術がどうなっていたのかを見ていきたいと思います。

作品形態

Open Hack U 2022 作品形態

まずは作品形態についてです。前述の通りWebアプリ・スマホアプリの割合が高く、全作品のうち7割を占めていました。オンラインで誰でも触れる形態にすることで、発表やデモンストレーションのしやすさを狙う傾向があるように感じられます。実際に、作品をQRコードで配布しているチームも多く見られました。
一方で、昨年に比べると、ハードウェアの割合増加も特徴として見られます。
そのうち半分はオフラインのOSAKA開催の作品でしたが、オンライン開催でも少しずつハードウェアが増えてきており、デモ動画を作っておくなど発表の仕方にも工夫が見られました。

使用言語と使用技術

Open Hack U 2022 使用言語Open Hack U 2022 使用技術

続いて、使用された言語や技術をまとめました。

使用言語の状況を見ると、JavaScriptとPythonの人気が高いようです。
この傾向は昨年とあまり変わっておらず、限られた期間でWebアプリケーションを作り上げるために採用されやすい言語なのかなという印象です。Dartの使用が増えてきていることも特徴的ですが、これはクロスプラットフォームアプリケーション開発のためにFlutterが多く採用されていることに起因しているかと思います。

使用技術はこちらも例年通り、Firebaseを利用したチームが多かったようでした。
JavaScriptライブラリの中では、jQuery、Vue.jsと比べてReactが圧倒的に使われていたようで、何かトレンドのようなものがあったのか気になるところです。
前述の通り、昨年に比べるとFlutterの使用率が伸びており、継続開発やサービス公開を見据えてクロスプラットフォーム開発を採用したチームも少なくなかったのではと思われます。

おわりに

いかがでしたか? Hack Uの熱気が少しでも伝わっていれば嬉しいです!
今年度もOpen Hack Uの開催を予定していますので、エントリー開始までTwitterをフォローしてお待ちくださいね。たくさんのみなさんからのエントリーをお待ちしています!

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ご感想ありがとうございました


小川 彩織
社内サービス向けプラットフォームのエンジニア
社内外のデータ連携を支えるプラットフォームを運用しています。旅行とお肉が好きです。

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