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テクノロジー

デザイナー必見! Xcodeで動くモックを作ろう

この記事を読むとデザイナーの方でもエンジニアと同じ開発環境で動くモックを作れるようになります!(社内での実績あり)

例えば以下のようなデザインの画面を新規に作りたいとします。そして社内の人に直接触ってもらい感想を聞きたいとします。

モック画像

さて、あなたならどうやって感想を求めますか?

モックの画像をカメラロールに保存してユーザに見せたりしていませんか?
ですがこの方法だと触っているうちにピンチイン・アウトしてしまいますし、あまり良いやり方とは言えませんよね。

モック作成ツールを使うやり方もありますね。世の中には様々なモック作成ツールがあります。
ですが、モック作成ツールだと実現できないことも多々出てきます(例:画面の固定位置にオーバーレイでボタンを表示しておくなど)。

今日は「デザイナー必見! Xcodeで動くモックを作ろう」と題してXcodeで動くモックの作り方を書きたいと思います。

ここで大事なのは、

プログラムは書きません!

ということです。そして掛ける時間は

30分(一度慣れれば5分くらいでいける)

を目標にやって行きましょう

以下の機能を持つモックを作ります
1.上下にスクロールできる
2.ボタンがオーバーレイで固定位置に表示されている
3.ステータスバーは非表示
4.スワイプで前画面に戻ることができる

完成系は以下の動画の通りです。

では手順に従って作っていきましょう。

Xcodeを起動し、「Create a new Xcode project」を選択してください。
Create a new Xcode project

「Single View Application」を選択してください。
Single view Application

「Product Name」には「MyMock」と入力、せっかくなので「Launguage」には「Swift」を選択しておきましょう。
Choose options

Main.storybaordを選択してください。
Main.storyboard

View Controllerを選択してください。
View Controller

「Use Size Classes」のチェックを外してください。
Use Size Classes

「Disable Size Classes」を選択してください。
Disable Size Classes

「Size Classes」が解除され、iPhoneのサイズに変更されます。
Disable Size Classes

「Scroll View」を設定します。
Scroll View

「Scroll View」の下に「View」を設定します。
View

さらに下に「Image View」を設定します。
Image View

ここで画像を追加します。images.xcassetsを選択してください。images.xcassetsは画像ファイルを管理する場所と考えてください。
今回はiPhone6のサイズに合わせて横750×縦4074の画像を用意しました。
images.xcassets

モック画像をドラッグして挿入します。
mock

画像を設定します。
imageview

シミュレータのサイズを変更します。iPhone6のサイズに合わせるため、横375、縦667に設定します。
375x667

Viewに横375、縦667を設定。
View375x667

Scroll Viewに横375、縦667を設定。
Scroll View375x667

Viewに横375、縦2037を設定(モックのサイズ)。
View375x2037

Image Viewに横375、縦2037を設定(モックのサイズ)。ここでやっと画像のアスペクト比が正常になりましたね。
Image View375x2037

ここからAutoLayoutを設定していきます。コンテンツに対する制約を設定することでScrollViewを動作するようにしていきます。
AutoLayout

シミュレータを起動してみましょう(Cmd+R)。スクロールするモックがノンコーディングで出来上がりましね!

つづいてちょっとしたお直しをします。現在シミュレータのステータスバーとモック画像のシミュレータのステータスバーが重なっているはずです。

ステータスバー

モック画像からステータスバーを消しておくという手もありますが、シミュレータ上からステータスバーを消してしまいましょう。Hide status barをhiddenに設定します。
AutoLayout

info.plistに「View controller-based status bar appearance」を追加し、NOを設定します。
View controller-based status bar appearance

この状態でシミュレータを起動するとシミュレータのステータスバーが表示されず、モックのステータスバーのみが表示される状態となります。

Hide status bar

次はオーバーレイで表示されるボタンを配置してみましょう。せっかくなので真ん中にボタンをおいてみます。
ボタンの配置

やっぱり左隅固定に置きたいので、左から10px、下から10pxの位置固定の制約を設定します。
位置固定

ここで一旦警告を解消したいと思います。黄色いマークをクリックして警告内容を確認してください。
警告内容

期待されているボタンの位置と実際の位置が異なるという警告です。
警告内容

さらにタップすると解消方法をサジェストしてくれます。ここでは「Update Frame」を選択して実行してください。
Update Frame

問題が解消され、制約通り左下の位置にボタンが移動します。
ボタンの移動

せっかくなので、ボタンの文字列と背景色を設定してみます。
ボタンと文字列と背景色の設定

ボタンをタップした際の遷移先を作りましょう。新たにView Controllerを配置します。
View Controller

Cntlを押しながらボタンをクリックし、遷移先のViewControllerに青い線を繋げます(分かりづらくてすみません)。
その際は遷移方法にPushを選択してください。
解説

NavigationBarを追加します。メニューバーのEditor - Embed In - Navigation Controllerを選択することでナビゲーションバーが追加されます。
ナビゲーションバー

ただしこのままだとナビゲーションバーの分だけ画面が占有されてしまうのでナビゲーションバーを非表示にします。
ナビゲーションバーの非表示

ナビゲーションバーが非表示だとスワイプで前画面に戻る操作ができません。ですのでソースコードに一カ所だけおまじないをします。
すみません、最初にプログラムなしで、と書いたのですが無理でした。ごめんなさい。だけどせっかくなのでSwiftで

self.navigationController?.interactivePopGestureRecognizer.delegate = nil

と記述してください。これであなたもSwift経験者の仲間入りです。
Swift Code

最初の画面と同じようにいくつか遷移先の画面を作っていきましょう。
遷移画面

これで完成です。プログラムほぼなしで動くモックができあがりましたね。

なお、この動くモックはヤフオク!アプリのプロモーション動画に使おうとして用意したのですが、にゃんこのスクロール操作がとてもうまく、カメラロールの写真を肉球でスクロールしただけで撮影が終わりました。

※動画の公開は終了しました

にゃんこがとても愛らしいので動画を見ていただけると幸いです。
これにて2014/12/12分のカレンダーを終了したいと思います。


iPhone、Xcodeは、Apple Inc.の米国およびその他の国々における登録商標です。
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