※イベントに関わった弊社社員。審査員、API提供、参加者など様々な立場で関わりました
こんにちは、Yahoo!検索で企画をしている森本です。
5月24日、25日、NHK(東京・渋谷)で「NHKハッカソン」が開催されました。NHK初のハッカソンということで注目度は高く、当初40人だった参加者定員はあっという間に満員。すぐに増員し、当日は60人のハッカーたちが集まりました。(イベントの詳細は、レポートその1でご覧ください)
私は参加者として参戦。結果「NHK技研賞」を受賞しました。NHK技研の研究員から見た将来性の高い作品として評価いただくことができました。どうもありがとうございましたm(_ _)m 今回は、企画職の私がNHKハッカソンで何をしてきたのか、参加者の視点でレポートします。
プランナーとして意識した5つのこと
何を隠そう、私にとってはじめての社外のハックイベント。これまでハッカソンに興味はあったものの、コードが書けないという理由で参加したことがありませんでした。そんな私がプランナーとして、意識していたことがいくつかあります。基本的なことなのでご紹介します。
1. イベントテーマに沿った作品であること
2. 私たちが解決する課題が明白であること
3. 常に実装できる範囲を把握しておくこと
4. 内容を盛り込みすぎないこと
5. 賞の評価基準を意識すること
なぜそれらが大切なのか、詳しく説明します。
1.イベントテーマに沿った作品であること
ハッカソンは主催側が持つ課題をハックするイベントです。そのため、課題に対する解決策を考える必要があります。今回のテーマは『「テレビニュース番組の新しい楽しみ方」若い世代にテレビニュースを楽しんでもらう方法を開拓してください!』でした。このテーマに沿っていることは絶対条件です。
2.私たちが解決する課題が明白であること
テーマ中にある「新しい楽しみ方」は広いテーマだと思いませんか? また、「若い世代」という定義も人によって異なりますよね。20代が若いと思っている人も居るかもしれませんし、大学生が若いと思っている人も居るかもしれません。そのため、「どんなユーザー」の「どんな問題」を課題を解決するのかを具体的に決めることが大切です。
3.常に実装できる範囲を把握しておくこと
イベントには制限時間があります。そして制限時間内に完成している必要があります。想定していたことができなくなると、最終地点を軌道修正する必要が出てきます。反対に、実装が早く進むと他に充実させるべきことに取りかかれます。今、何ができて、何ができていないのかを知っておくと、次に何をすべきかすぐに判断できます。(ちなみに、私たちのチームは実装が早く進んだ後者タイプ。素晴らしいエンジニアさんに感謝!)
4.内容を盛り込みすぎないこと
プレゼン時間は5分。5分で伝えられる内容に収めることが大切です。あれもこれも伝えたくなりますが、盛り込み過ぎて大切なことが伝わらないままプレゼンが終了しては意味がありません。プレゼン時間を意識し、伝えられる内容に収めることを考えていました。そのためには、プレゼンの練習も必要ですね。(偉そうなことを言っていますが、練習は数回しかできませんでした)
5.賞の評価基準を意識すること
出場するからには、優勝したいですよね? そのため、評価基準を満たしているかを意識していました。今回の評価基準は、「新規性、独自性」「アイディアの完成度」「デザイン、UX」「テーマとの一致度」以上の4点。チームが決まり、すぐにしたことは「テーマ」と「評価基準」を紙に書き出すことでした。いつも意識できるようにテーブルに置いていました。
ニュース視聴までの距離を短くしたサービスを提案
それらを意識して、私たちは「monmon」というサービスを考えました。
課題は、「若い女の子がTVニュースを観ないこと」と設定。女の子がニュースを観る「きっかけ」を作り、さらにニュースを観るまでの「距離」を縮めるアプリサービスを考えました。
さらに詳しく説明すると、NHK最先端技術の一つである「興味度推定エンジン」を使い、テレビ視聴者の表情や顔の傾きなどから興味を推定。TVニュースを観ているSNSのA子ちゃんが興味を示した瞬間、A子ちゃんの友達に『「国際放送2014」を観ているよ。たまにはニュースもいいよ』とアプリ通知。A子ちゃんの友達がアプリを開くと、A子ちゃんが興味を示した瞬間の画像が見られます。また、そのままガラポンに誘導し、リアルタイムでニュースが見られるようにしました。さらに、A子ちゃんの友達が面白いと思えば、さらに別の友達にアプリでシェア。友達の間でコミュニケーションを図りながらニュースを拡散し、みんながニュースを見るようになるという内容です。
プランナーも気軽にハッカソンに出てみよう!
以前の私のようにコードが書けないため、ハッカソンに参加する勇気がないという人も居るかもしれません。しかし、コードを書くこと以外にも、アイディアを出したり、全体をディレクションしたり、プレゼンテーションをしたり、大切な役割があります。うまく行かなかいこともあるでしょう。でも、うまく行かなくても大したことはありません。うまく行かない理由を考え、それを次に活かせばいいだけです。
たとえ非常に良いアイディアがあっても、アイディアだけでは価値がありません。実装し、形になり、はじめて価値を生みます。ハックイベントは、アイディアを短時間で形にできる絶好のチャンス。このようなイベントに参加する人が増えると、多様な視点でよりさまざまな価値あるものが生まれます。ぜひ、気軽に参加してみてはいかがでしょうか?
みなさんとどこかのハックイベントでお会いできること楽しみにしています。
※「NHKハッカソン」の模様は、5月30日(金)夜10:00から放送のニュース番組「国際報道2014」で紹介されます。※「興味度推定エンジン」の実物が見たい方は、6月1日(日)まで開催しているイベント「NHK技研公開2014」でご覧戴けます。他にも8Kテレビや眼鏡不要の3Dテレビなど最先端技術が体験できます。
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