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テクノロジー

ヤフー名古屋におけるエンジニアの働き方

こんにちは。ヤフー名古屋オフィスでソフトウェアエンジニアをしている近藤です。

本記事では、ヤフー株式会社の全国にある拠点所在地の一つである名古屋オフィスの様子と、エンジニアの働き方について皆さんにご紹介します。

名古屋オフィスの所在地と担当している事業領域

ヤフーの名古屋オフィスは、名古屋駅エリア、通称「名駅エリア」に位置しています。長らく名古屋プライムセントラルタワーというビルをワンフロア借りていましたが、2019年3月4日にJRセントラルタワーズに移転しました。名古屋駅直結となった事から、名古屋勤務社員の通勤利便性や、他拠点から新幹線で出張してきた社員の導線なども格段に便利になりました。場所もタワーズオフィスフロア最上階の50階で眺めもよく、記事の後半で紹介する技術コミュニティ活動では、社外の方にも入っていただけるエリアがありますので、ぜひ一度来ていただければと思います。

主にエンジニアの担当しているアプリやサービスとして、

  • Yahoo!地図(アプリではYahoo! MAP)
  • Yahoo!カーナビ
  • Yahoo!知恵袋
  • 電子書籍配信サービスであるebookjapan
  • プレモノや特集といったスポンサー連携コンテンツのフロントエンド開発
  • 社内プラットフォームの開発・保守・運用

上記のような事業領域があります。他にもマーケティングソリューション領域の営業を担当する社員や、バックオフィス系の社員などが、50階のワンフロアに勤務しています。

エンジニアやデザイナーの開発環境

エンジニアやデザイナーの開発環境を紹介します。

ヤフーではどこでもオフィスという場所に縛られない働き方ができる事から、各社員の選択する業務用PCは基本的にノートPCとなります。

2019年3月現在は、大別して4種類から社員が自身の業務に合ったPCを選択して利用します。今回は、本記事の執筆にあたり、ヤフー名古屋で働くエンジニアやデザイナーといったクリエイター系社員に協力してもらって、どんなノートPCを選択しているのか集計してみました。

ヤフー名古屋のクリエイター系社員が選択したPC

グラフの凡例について解説します。

  • Surface Pro:軽くてペン入力にも対応しているモバイルノートPCです。集計対象をエンジニアやデザイナーに限定せず、機動性を重視する営業社員なども入れると、もっと多い結果になると思われます。
  • XPS 15: ディスクリートGPUを搭載したパフォーマンス重視のWindowsノートPCです。スペックがパワフルな分、重量も約2kgとなりますが、IDEや画像レタッチツールなどをサクサク動かしたいエンジニア・デザイナーには、Surface Proよりもこちらが好まれます。
  • MBP 13: MacBook Pro 13インチモデルです。UNIX系ツールが手軽に使えることや、iOSアプリ開発にmacOSが必要なこと、重量と性能のバランスから、今回のアンケート結果では半数以上のエンジニア・デザイナーが選択しています。キーボードはJIS配列とUS配列が選択可能です。
  • MBP 15: MacBook Pro 15インチモデルです。macOSを必要とした上でさらに性能を求めたい人、メインとして外部モニタを使わずノートPCだけで業務を完結させたい人に好まれます。こちらもキーボードはJIS配列とUS配列が選択可能です。

XPS 15/MBP 13/MBP 15は、いずれもメモリ16GB以上を搭載しており、インターンで一緒に働いてもらう人にも、同様スペックのものが用意されます。実際に2018年の夏にヤフー名古屋オフィスで実施したインターンでも、参加者全員にMBP 15が貸与されました。

オフィスファシリティ

移転にあたり、ヤフー名古屋オフィスでも、他の拠点と同様のフリーアドレス制度が導入されました。

どの席に座っても同一スペックの27インチ外部モニタが用意されており、USB-Cケーブル1本で、PC本体の充電しながらPCからの画面出力ができるため、先述した各種ノートPCとの連携がとても取り易いです。モニタからノートPCに給電できる事から執務エリア内の回遊性が高く、昼間は眺望の良い窓側の席で業務をして、西日のきつくなる夕刻は別の席へ移動して働く社員も多く見かけます。

また、オフィスに導入する椅子については、移転前に各オフィス家具メーカーにご協力いただいて、8種類のオフィスチェアを社員が試座できるよう貸してもらった上で、社員投票によって導入される椅子が以下の3種類に決まりました。

  1. エルゴヒューマン
  2. デュオラ
  3. シルフィー

モニタと椅子の周りは、仕切りがなくクリーンになっています。こちらの席は椅子がエルゴヒューマンです。

エルゴヒューマンのある席

また、記事執筆中はまだ準備段階ですが、ヤフー紀尾井町オフィスの820Labsを参考に、ペアプログラミングするための専用席を設ける予定です。

現在は、2人並んで座ってコミュニケーションできるスペースと、2台のモニタが設置されています。これからペアプログラミングに適した席として仕上げて行きます。紀尾井町オフィスでの事例を聞いていたため、今回の移転に際し、ぜひ導入して欲しいとエンジニア側から要望を出して入れてもらいました。

写真の準備中ペアプロ席では、椅子としてシルフィーが2組セットで置かれています。他の椅子がセットで置かれているペアプロ席もあります。デスクはボタン操作で高さが昇降可能で、操作する人が適切な位置で作業できます。

シルフィの置かれたペアプロ席

採用しているアジャイルのプラクティス

2019年現在、ヤフー名古屋で働く多くのチームがアジャイルのプラクティスを取り入れてサービスやアプリを開発しています。私の所属するチームでは、

  • カンバン
  • レトロスペクティブ(振り返り)
  • ペアプログラミング・モブプログラミング

を採用しています。カンバンではなくスクラムを採用しているチームも存在します。

私のチームでは、2〜3週単位のタスクをまず書き出して、優先順位を付けてキューとして上から順にカンバンで並べた上で、ペア(2人1組)やモブ(3人以上)といった単位で担当タスクを取ってもらって開発を行い、約1カ月のサイクルで自分たちの活動について振り返りを実施しています。振り返り手法がKPTばかりだと出てくる意見の視点が固定化されてしまうため、書籍『アジャイルレトロスペクティブズ』を参考に、なるべく違った視点でチームの活動を振り返れるよう、毎回異なる手法を採用するよう心掛けています。

振り返りは会議室を使って実施しています。壁一面がホワイトボードになっているため、チームをより良くするアイデアを付箋に書き出してグルーピングしたり、チーム活動を阻害する要因があれば、付箋それぞれの関係性を可視化できるため便利です。

会議室

ペアプログラミング・モブプログラミングといった開発手法は、ヤフー名古屋オフィスでは2017年頃から徐々に導入チームが増えてきました。例として、私のチームでは最低限ペア以上の人数での作業を必須としています。導入効果としては、次のようなものが大きいです。

  • とくにモブプログラミングの場合、途中で会議や1on1で抜ける人が出ても、ドライバー(操作役)をうまく交代して行くことでチームとしてのアウトプットが安定する。
  • 新しく配属された人と、業務ドメイン知識に詳しい人とが組んでもらうことで、ナビゲーター(指示役)と適切にコミュニケーションしながら作業を進めてもらい、経験の若い人が何をして良いか分からず止まることを防いで高い教育効果が得られる。
  • テストコードと実装コードをそれぞれ異なる人が書くことで、使いにくい設計や、思い込みによるテストの見落としが防げる。
  • バージョン管理システムの操作や、エディタ・IDEの設定といった、個々人に閉じた暗黙知になりがちな知識の共有が促進される。

1つのタスクに2人以上のメンバーが入ることから、一見すると生産性が落ちてしまう懸念を持たれがちなため、これまでのスケジュールの達成度や成果物の品質など、なるべく客観的な数字でミドルマネージャー層に説明し、理解をしてもらっています。

社員インタビュー

移転したオフィスの使い心地について、同じ拠点で働く仲間である同僚の徳元にインタビューしてきました。彼は標準で置かれているモニタ以外にも、自分用のモニタを2台持ち込んでマルチモニタ環境としています。役割としてiOSアプリやBackends For Frontendsの開発を担当している事から、社員貸与されるPCにはMacBook Pro 13インチモデルを選択し、外部接続するキーボードにREALFORCEを使っています。この辺りは、どのように「自分の城」を築くか、ある程度エンジニア社員の裁量に任されています。

徳元の席

  • 「標準で用意されている外部モニタが思ったよりも良い製品で、もしかしたら自分用のモニタは持ち込まなくて良かったかもしれないと少し後悔している」
  • 「椅子は結構良い。ぜいたくを言えば自室のようにアームレストがあると、もっと良い」
  • 「会議室以外にもコミュニケーションスペースが多くて素晴らしいのでは」

といったコメントをもらいました。

彼はYahoo! JAPAN Tech Conference 2019でもYahoo! MAPアプリに採用したAR技術について発表したり、WWDC 2018にも現地参加しています。

ヤフーでは名古屋・大阪・福岡といった、本社の紀尾井町勤務以外のエンジニアも、多くの技術系カンファレンスに参加しています。

技術コミュニティ活動

ヤフーで働く社員は、技術コミュニティ活動に参加する人が多く在籍しています。ここでは名古屋エリアにおける技術コミュニティ活動について「Hack U」「Nagoya iOS meetup」「ヤフー名古屋 Tech Meetup」をご紹介します。

Hack Uでは、学生からクリエイターになってもらうきっかけを与えることを目的として、各学校でのハッカソンイベントや、バージョン管理システムGitの使い方・WebAPIの使い方といった特定テーマでの学生向け勉強会を定期開催しています。

私も先日2019年1月に開催されたWebAPIの使い方に関する勉強会に、サポーター社員として参加させてもらいました。多くの学生の皆さんに、APIを組み合わせる面白さを感じていただけたようで、一緒に楽しい時間を過ごせました。

ハッカソンの方では、賞を受賞したチームはヤフー伝統のものづくりのお祭りであるYahoo! JAPAN Hack Dayに招待され、ヤフーの社員と一緒にアイデアや技術を競う機会もできます。ハッカソン・勉強会ともに、学生同士で誘い合っての参加が非常に多いです。勉強会の方は1人参加でもヤフー社員がしっかりサポートしますので、ぜひご参加ください。

Hack U 2018 NAGOYAの様子

Nagoya iOS meetupは、iOS/Swiftやその周辺技術についてエンジニア同士が集まって情報共有する会です。名古屋プライムセントラルタワー時代から、既に5回開催されています。

先ほどのインタビューに登場した徳元や、iOSアプリ分野で第一人者として「黒帯」に認定されている林が参加・登壇しています。より詳しい情報は林の執筆したTech Blogの記事をご覧ください。

こちらも多くの学生の皆さんや、他社エンジニアの皆さんに参加・登壇いただいています。iOS以外の技術分野で「黒帯」に認定されているヤフー社員と交流できる機会も、ヤフー名古屋オフィスで順次設けて行きたいと考えています。

最後に、ヤフー名古屋 Tech Meetupを紹介します。このMeetupの位置付けは、オフィス移転を契機として、JRセントラルタワーズ50Fのセミナールームで、定期的にクリエイター向け勉強会を開催するというものです。

2019年3月11日に、第1回となるヤフー名古屋 Tech Meetupが開催されました。今回は「ヤフーの事を知ってもらう」を目的として、ヤフーが東京だけでなく大阪・名古屋・福岡といった技術拠点でコミュニティを運営して行く意義やヤフーのCTOが発信しているクリエイターマインド、ヤフー名古屋で担当しているサービス改善、ヤフーの持つ自社インフラやキャラクターを活用したユーザーコミュニケーションについて社員から紹介させていただきました。

ヤフー名古屋 Tech Meetupのセッション風景

本記事で紹介した技術コミュニティ活動は、今後も継続的にJRセントラルタワーズのヤフー名古屋オフィスで開催されます。興味を持った方は、ぜひ、各種イベント案内ページから参加登録の上で、セミナールームまでお越しください!

セミナールームの様子

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