Tech Blogをご覧のみなさま、はじめまして。
京都大学 田中研究室の山本岳洋です。
このたび、Yahoo!ラボにて「Rerank」(※)がリリースされましたので紹介させていただきます。
※「Rerank」は、京都大学田中研究室のグループが、文部科学省「情報爆発時代に向けた新しいIT基盤技術の研究」の特定研究領域として研究していた技術。Yahoo! JAPANと社外の教育機関との連携で行なわれた研究開発です。
Rerankってどんなサービス?
「Rerank」は検索結果を自由に並び替えることができるサービスです。
検索結果を見ているときに、「この単語は重要」であるとか、「この単語はいらない」といった意図を簡単なインタラクションで表現し、検索結果をどんどん並び替えることができます。これにより、自分にとって必要な情報を効率良く探し出すことができるようになります。
また、200件の検索結果をダイナミックに並び替えますので、普段は見ないような下位にある検索結果からも、有用な情報を探すことができます。
Rerankの使い方
検索結果を並び替える
Rerankの使用方法はいたってシンプルです。
2つの操作を繰り返して検索結果をどんどん並び替えていくだけです。
・ 選択した単語を含む検索結果を上位に表示
・ 選択した単語を含む検索結果を下位に表示
まずは検索ワードを通常のウェブ検索と同様に入力してください。
たとえば、「豚肉 なす」と入力してみると、このような検索結果が表示されます。
ここで「ピリ辛な料理をもっと見てみたいな」と思えば、検索結果の単語から「ピリ辛」を選択して をクリックします。
すると、先ほど選択した「ピリ辛」を含んだ検索結果が上位に表示されます。
さきほどとは逆に「ピリ辛な料理はいらない」と思えば、 をクリックします。すると、「ピリ辛」を含んだ検索結果は、下位の方へ並び替えられます。
このように「Rerank」では、気になった単語を含む検索結果を上位に、不要な単語を含む検索結果を下位に並び替えながら自分の欲しい情報を探していくことができます。
タグクラウド
Rerankのもうひとつの特徴として、検索結果中に出現する単語をタグクラウド形式で一覧表示していることがあげられます。たとえば、「豚肉 なす」という検索ワードだと、このようなタグクラウドが表示されます。
単語の大きさは出現頻度に基づいています。この例だと、多くの検索結果に「レシピ」という単語が出現していることが分かります。タグクラウド中の単語をざっと見るだけで、検索結果の傾向をつかむことができます。
もちろん、タグクラウドの中にある単語を選んで検索結果を並び替えることもできます。
たとえば、「ピーマンを使った料理を見てみたい」と思えば、「ピーマン」をクリックして を押すだけで「ピーマン」を含んだ検索結果を上位に表示することができます。
開発のきっかけ
自分が欲しいと思っている情報を、ズバリ言い表した検索ワードを考えることは簡単なことではありません。
また、自分が欲しい情報というのはあらかじめ完全に決まっているのではなく、検索エンジンから返ってきた結果を見てはじめて「こういう検索結果がもっと欲しいなぁ」であるとか、「こういう結果はいらないんだけどなぁ」と、どんどん変化していくこともあります。
しかし、既存の検索エンジンのインターフェースだと、検索ワードを新しく作り直して再検索するくらいしかそうした変化を伝える方法がなく、「こういう検索結果をちょっと見てみたい」という、弱い意図を伝達するのは難しいという問題がありました。
そこで、もっと簡単に、「こういう結果を見てみたい」、「こういう結果はいらない」といった意図を素早く検索結果に反映するためのインターフェースが必要なのではないかと考え、Rerankを開発いたしました。
検索結果の中を探索する
「なんだか面白そうな情報がないかなぁ」というように、ぼんやりと情報を探しているとき、ぜひ、Rerankを使用してはいかがでしょうか。検索結果とタグクラウドを眺めながら、気になった単語で検索結果をどんどん並び替えてみてください。そうすることで、意外な情報や、見落としていた面白い情報に出会えるかもしれません。
以上で簡単にRerankの紹介をさせていただきました。
Rerankはウェブ検索の新しいインターフェースのひとつです。
ぜひ多くの方に使用していただいて、さまざまなフィードバックをもらえたらと思います。みなさんのフィードバックを反映して、より良い検索インターフェースに育てていけたらなと楽しみにしています。
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- 学びがある
- わかりやすい
- 新しい視点
ご感想ありがとうございました