こんにちは、R&D統括本部(要素技術開発部)の小林です。
今回、Yahoo!ラボでリリースした「判定サーチ」は、ウェブ検索エンジンが提供している検索結果ランキングを、新しい視点でとらえ直してみようという発想から生まれた実験的なプロダクトです。
名前の「判定」には、従来の検索結果ランキングと、新しい視点が創り出すランキングの世界を比べてみたいという気持ちが込められています。
プロダクトの基となった技術は、独立行政法人情報通信研究機構の高度通信・放送研究開発委託研究/研究開発「電気通信サービスにおける情報信憑性検証技術に関する研究開発 課題ア Webコンテンツ分析技術」の一環として京都大学 田中克己研究室が研究を行い、その成果をYahoo! JAPANがサービス化しました。京都大学側の開発は、助教の大島裕明先生がご担当されました。
分析力が拓く新しい世界
これからの検索エンジンには、検索結果を閲覧するユーザの理解や判断を、よりよく支援できる可能性がまだまだ多く残されていると思います。そのための一つのアプローチが自然言語処理や統計処理などを総合した「分析力」だと考えます。
「判定サーチ」は、Yahoo!ウェブ検索APIの検索結果(最大60件)を独自アルゴリズムで分析し、ウェブページ毎にメジャー度、専門度という二つの分析情報を算出します。簡潔に説明しますと、専門度はウェブページの専門性の程度を表し、一方、メジャー度は、最大60件の検索結果の中でそのウェブページが持つ類似したページの多さを表します。
今回新しく考案した「ランキングチューナー」(下図)は、3つのランキング要素(ウェブ検索ランキング、メジャー度、専門度)を自在にブレンドするためのインタラクティブなマウスポインティングユーザインターフェースです。
三角形の中をマウスクリックすると、クリックした位置にピンが移動します。ピンの位置から三角形の各頂点までの距離に応じて、3つのランキング要素がブレンドされます。(今後、3つだけでなく、4つ、5つと軸を増やしていくことも可能ですね!)
一度動かしたピンの位置は、次の検索にも引き継がれます。自分の好みのピンの位置を探してみませんか?
「判定サーチ」を使ってみる
とりあえず使ってみるのは簡単です。例えば、本日、「東京ミッドタウン」というクエリを入力したら、検索結果は下図のようになりました。
この検索結果では左端のランキングが1、2、3の順になっていませんが、これは、ランキングチューナーのピンの位置が三角形の真ん中にあり、ウェブ検索ランキング、メジャー度、専門度の3つが等しくブレンドされています。
ランキングチューナーの「ウェブ検索ランキング」ボタンをクリックすると、左端のランキングは1、2、3の順になります。また、メジャー度、専門度のボタンをクリックすると、☆マークでソートできます。
「判定サーチ」が提供する分析力はまだまだ限定的なものですが、新しいユーザインターフェースを含め、検索が必要になった時には一度、試して頂けたらと思います。
キーワード例と深堀ワード
「判定サーチ」には、「キーワード例」として、Yahoo! JAPAN検索ランキング 急上昇ワードランキングから毎日上位の検索クエリを自動取得しています。キーワードをクリックすると、クエリ入力欄に自動追加されますので、ちょっと試してみたいときにお使い下さい。
検索をすると「深堀ワード」の欄にワードが表示されます。これらは、検索で得られたクエリと関係が深いと思われるワードを自動抽出したものです。深堀ワードをクリックすると、クエリにワードが追加されますので、さらに検索を深堀りしたい場合は、ぜひご活用下さい。
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