こんにちは、Developer Relationsの山本です。
今日は社内の技術ナレッジ共有を推進する「技術ポスターセッション」について紹介します。ヤフー社内のクリエイター文化として知っていただけると嬉しいです。
ヤフーのクリエイターマインド
ヤフーでは以下3つのマインドを「クリエイターマインド」と定義して大切にしています。
- 全ての結果を自分ごとにする
- 社外に対してオープンになる
- 困難なことにチャレンジする
そしてこれらのクリエイターマインドの醸成や発揮しやすい環境づくりのために、さまざまな工夫を行っています。今回紹介する「技術ポスターセッション」もその一つです。
参考:ヤフーの新旧CTOが語り合う——社内受発注からの脱却とエンジニアの成長につながったクリエイターマインドとは
「技術ポスターセッション」とは
「技術ポスターセッション」は日々の研究成果や技術的な取り組みをポスターにまとめ、発表者と参加者がディスカッションを行うイベントです。現在は年1回、オンライン上で開催しています。
「oVice」を用いて、発表者単位でブースを配置して発表者と参加者でインタラクティブなディスカッションを行う「ポスターセッション会場」と、発表が会場全体の参加者が聞こえるような1対多のコミュニケーションを行う「オーラルセッション会場」の2種類の会場を用意しています。
「技術ポスターセッション」を始めた理由
「技術ポスターセッション」は担当サービスや、所属部署を超えたクリエイター同士の交流の場になることを目指しています。
ヤフーではニュースやショッピングなど多くのサービスを運営しており、それぞれのサービスで日々さまざまな知見が生まれています。その取り組みの中で得られた知見を「技術ポスターセッション」を通じて共有することで、他サービスの知見を自サービスに持ち帰れるような機会にしています。
今年のポスターを一部ご紹介
2022年度に開催した技術ポスターセッションで発表があったコンテンツを一部紹介します!一部の公開にはなりますが、雰囲気を感じ取っていただければと思います。
ベクトル検索を利用したYahoo!検索の関連検索ワード改善
Yahoo!検索では、ユーザーが入力した検索クエリに関連する内容を掲出する関連検索ワードという機能があります(検索結果ページ上部と下部にあります)。
従来の方法では、この関連検索ワードを出したくても掲出できないケースがありました。本記事では、高品質な文ベクトルを生成する手法SimCSEを用いて検索クエリと意味が類似する内容を掲出することで、関連検索ワード機能を改善させた事例を紹介しました。
こちらはより詳細をすでにTech Blogで掲載しているので、ぜひこちらもご覧ください!
参考:SimCSEとベクトル検索で類似内容を掲出し、利便性を改善する(Yahoo!検索の関連検索ワードでの事例)
AAテストの有意差の原因を多重性に見出した分析事例
Yahoo!ショッピングの検索改善でAAテストに有意差が出てしまった問題に対し、多重性の観点から定量的に考察した分析事例を紹介しました。
読みやすさの研究
スマートフォンにおける最適な日本語書式設定を評価検証しました。文字と行間の大きさに関してどの組み合わせが読みやすいか、Yahoo!ニュース上で実証実験した結果を紹介しました。
こちらも詳細をTech Blogで掲載しているので、ぜひご覧ください!
参考:文字と行間の大きさは何が良い?読みやすさとKPI両立への挑戦
工夫点と改善点
前述の通り「技術ポスターセッション」は担当サービスや、所属部署を超えたクリエイター同士の交流の場になることを目指しています。
数年前まではオフラインで開催していましたが、リモートワーク環境になってからはオンラインで開催しています。
オフライン開催の頃の雰囲気をオンライン下でも再現するためにoViceのレイアウトを気をつけたり、オンラインでも参加しやすいようにながら聞きができるコンテンツを用意したりと工夫をすることで、オフラインの頃よりも多くの参加者を集めることができていますが、反面「オンラインもいいけど、オフラインの頃の熱気には敵わないな…」や「ながら聞きが増えてしまって参加人数の割にはインタラクティブなディスカッションが不足している」といった課題が見えているので、今後改善していけたらと思っています。
おわりに
今回は「技術ポスターセッション」を紹介しました。
他にも毎年開催している社内ハッカソン「Internal Hack Day」や、社内技術カンファレンス「TGCon(Technology Group Conference)」など、ヤフーのクリエイター文化を支える取り組みを過去紹介しているので、ぜひそちらもご覧ください!
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