こんにちは。ヤフー大阪オフィスでオープンコラボイベント『Mix Leap』の企画・運営を担当しています中嶋です。
以前、こちらのTech BlogにてMix Leap誕生のきっかけや、イベント運営を通して感じたこと、今後目指したいこと、などを書きました。
記事の最後には「4月以降のイベントではオンライン開催にチャレンジ」と書いたのですが、今回はオンラインイベント『MixLeap Live』の開催までの経緯と、開催して気づいた課題、そして改善案についてお話しします。
この記事を通してヤフー大阪オフィスの取り組みを知ってもらうとともに、クリエイター向けオンラインイベントを開催している方のお役に少しでも立てれば幸いです。
オンラインで開催するまでの準備
MixLeap Liveを開催するために、初めにやったことは情報収集です。
イベントはこれまで150回以上開催してきましたが、それらはすべてオフィスを使ったオフラインでの開催。オンラインでのイベントの知識はまったくと言っていいほどありません。
そのため、まずライブ配信についてのネット記事を調べたり、他のコミュニティーが開催しているオンライン勉強会をチェックしたりしました。
既存のオンライン勉強会で多かった配信方法は「登壇者、参加者の全員がZoomに入室」もしくは「登壇者はZoom、参加者はYouTubeで視聴」の2パターンでした。
Zoomの一部の機能に社内のセキュリティ的な制約があったのと、より多くの人に視聴して欲しい(Zoom限定だと参加ハードルが上がってしまう)という理由から、Mix Leapでは後者を採用することにしました。
また、記念すべきオンライン開催の1回目のテーマとしてたくさんの人に参加してもらえるように、国内でも人気・シェアともに高い『Reactとその周辺技術』を選びました。
配信方法とテーマが決まったのでさっそく本番開催…とはいきません。
運営メンバーも登壇者もオンラインイベントは未経験。いきなり本番開催するのも不安だったので、まずは社内でリハーサルをイベントとして開催しました。
参加者は社員限定だったのでYouTube配信は行わずZoomのみで配信しましたが、それ以外は本番とまったく同じ内容で開催しました。
リハーサルに参加してくれた社員からは「参加する場所が自由なのが良かった」「通常のイベントよりスライドの文字が見やすかった」といったポジティブな声があった一方で、登壇者からは「聴講者のフィードバックが話してるときに得られにくいのはつらい」といった感想もありました。
社内リハーサルをしてみて、とくに
- 運営メンバー・司会者・登壇者の全員でイベント全体の流れが共有できた
- 登壇者の中にはZoomでの画面共有に不慣れな人もおり、操作の練習ができた
社内リハーサルで手応えも感じ、4月28日ついにMixLeap Liveは開催されることになったのですが…
初めての試みにもかかわらず、なんと300人近い参加申し込みがあり、オンラインの可能性を大いに感じました。
MixLeap Live Study #59 - Reactとその仲間たち
<開催直前の様子、私も自宅から運営参加しています>
このイベントを皮切りに、4〜7月の期間に計6回(うち、勉強会は2回)のMixLeap Liveを開催しました。
6回のイベントを通して運営メンバーが感じた「オンラインならではの課題」と「課題に対する解決案」を書きます。
まずは課題から。
オンラインならではの課題
イベント運営に関するトラブル
オンラインイベントを始めて、すぐに対面したのが数々の運営トラブルです。
- YouTubeのURLが受け取れず動画が視聴できない参加者がいた
- アンケートのQRコードに誤りがあり回答できなかった
- 登壇者の音声の音量・音質に問題があり聞きづらかった
- 登壇者が持ち時間を超過してしまった
これらはすべてオフラインのイベントでは起きなかった(あるいは起きてもすぐにフォローできる)トラブルです。
運営、登壇者、司会の全員がオンライン運営が初めてなので当然トラブルは起きてしまうのですが、一つを解決したかと思えば次のイベントでまた新たなトラブルが起きてしまうので大変でした。
参加者とのインタラクション
もう一つがこちら。これは運営トラブル以上に大きな課題だと感じています。
前回の記事にも書いたとおり、Mix Leap運営が目指すゴールは「クリエイター同士がつながりあうこと」です。
これまでのMix Leapではイベント本編での質疑応答に加え、開始前や休憩時間、イベント終了後の懇親会などで参加者・登壇者・運営が交流する時間はたくさんありました。
ところがオンラインイベントの場合、登壇者から視聴者への発信はどうしても一方的になってしまい、また質疑応答もオフラインでの直接対話と比べると味気なく感じてしまいます。
実際に参加者・登壇者それぞれからも「インタラクションの薄さ」に対する声は上がっていました。
課題に対する解決案
続いて上で挙げた2つの課題に対するMix Leap運営としての解決案を書きます。
『事前リハーサル』の徹底
これは最初に書いた社員に向けた「社内リハーサル」ではなく、運営メンバー・登壇者・司会のみで行う簡単なリハーサルです。
Mix Leapの場合、イベント本番の前日に1時間弱で行うことが多いです。
「簡単な〜」と書きましたが、
- 当日のタイムテーブルの確認(司会者がどんな説明をするか、質疑応答がどのタイミングで入るか)
- 登壇者へのZoom操作のレクチャー(画面共有方法、タイマーの表示方法)
- マイクの音量・音質のチェック(問題があればその場で改善)
- YouTube配信における注意点(配信のラグ、フレーム表示の説明)
また、このリハーサルは通常での社外に公開するMix Leapでも、社内限定の小規模なLT会でも、どんなイベントでも必ず実施することにしています。
それほどまでにオンラインのイベントはトラブルが発生しやすい、ということは運営をしていて身をもって感じました。
もう一つの理由として、モニターを集中して見ている参加者にとっては「トラブルの多い進行」や「画面切り替えのもたつき」は、会場で開催されるオフラインイベント以上に気になります。
自分もトラブルが多発するオンラインイベントを見ていると「あぁ、これはリハーサルをやってないな…」と感じるようになりました。
あと、この事前リハーサルを通して
- 登壇者に安心して本番に臨んでもらう(オンライン登壇が初めての人も多い)
- 登壇者と運営メンバーの貴重な交流の機会である
『楽屋トーク』の実施
MixLeap Liveの本編が終了した後、配信で使用していたZoomで司会・登壇者・運営メンバーによる『イベントの振り返り』を実施し、そこにYouTubeを視聴していた視聴者にも任意で参加してもらうのが『楽屋トーク』です。
これにより「一方的に視聴するだけだった視聴者」が登壇者や運営メンバーと交流することが可能になります。
<実際の楽屋トークの様子>
楽屋トークで話す内容は登壇者の感想や、時間切れで答えられなかった質問への回答。さらに入室してくれた参加者からの質問や感想などです。
YouTubeを視聴してくれた参加者からすると「中が見えないzoomの部屋にいきなり入るのはちょっと怖い…」と思われる方もいるかもしれません。
そのため「YouTubeの配信終了画面に楽屋トーク中のzoomの映像を音声オフで流す(下図赤枠)」ことで、中の様子を伝えることで少しでも参加しやすくなるような工夫もしています。
まだまだ実施した回数自体も少なく、オフラインのイベント後にやっていた懇親会と比べるとコミュニケーションの量は減っていますが…登壇者がYouTube配信中には出来なかった裏話が聞ける、その領域のスペシャリストの一般参加者が会話に入ってくれる、など運営スタッフも予想できないことが起きて毎回盛り上がっています。
参加者と少しでも対話ができる場があることは運営メンバーとしても非常に嬉しく思っており、楽屋トークは今後も続けて行く予定です。
MixLeap Liveの今後
上で挙げた解決案は「これをやることで完全に課題が解決する」というものではなく、まだまだ改善が必要だと思います。
一方で、今までMix Leapに参加できなかった関西以外の人が参加できる、東京や名古屋などヤフーの他拠点の社員も気軽に登壇してくれる、などオンラインならではメリットもたくさん感じています。
今、新型コロナウイルスの影響で人々の暮らし方、働き方が大きく変化しており、それはイベントやコミュニティーのあり方も同様です。
オンラインでのイベント運営がこれからどのように変化・進化していくかはわれわれイベント運営者と参加者次第なので、MixLeap Liveでも次々と新しいことにチャレンジしながら、新しいオンラインイベントのあり方を作っていきたいと考えています。
最後に2つオンラインイベントを紹介して、今回の記事を終わりたいと思います。
8月27日(木)Developers Summit 2020 KANSAI今年で10周年になる関西デベロッパーのためのお祭り「デブサミ関西」です。
ヤフー大阪オフィスからもYahoo! MAPのエンジニア 松村がコロナ対策への取り組みについて話します。
9月8日(火)MixLeap Live Study #61 - ヤフー天気・災害を支えるエンジニアリングヤフー大阪オフィスで開発・運用されている「ヤフー天気・災害」のエンジニア4名が、それぞれの取り組みについてお話しします。
今回の記事にも書いた「楽屋トーク」も開催するので、ぜひご参加ください。
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- 学びがある
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ご感想ありがとうございました