Yahoo! JAPAN Tech Blogでも勉強会の様子が何度か紹介された、ヤフー大阪オフィスで毎週開催している「Mix Leap」の企画・運営を担当している中川と中嶋です。
今回はこれまでMix Leapを2年以上にわたり運営してきた二人から、イベントを通して感じたことや得たもの、そして今後目指していくことなどをお話します。
開催のきっかけ
Mix Leapが始まったのは2017年の10月。ちょうど同じ頃、ヤフー大阪オフィスは増床のため現在のグランフロント大阪に新オープン(それまでの富国生命オフィスもリニューアル)し「オープンコラボレーションスペース」が設置されました。
それまで大阪オフィス内では
- 社内外のクリエイター同士が交流できる場が欲しい
- 情報のインプット・アウトプットが気軽にできる勉強会をやりたい
さらに、もともと関西圏では「クリエイター向けのイベントが少ない」という課題感もあったので「どうせなら毎週やろう! 毎週木曜(Mix Leapは基本木曜開催)ヤフー大阪オフィスに来れば何かやってる、と思ってもらおう!」ということで、毎週開催することが決定しました。
ちなみにMix Leapの名前の由来は「さまざまな人が交わり(Mix)ともに飛躍(Leap)しよう」から、また参加者にはおなじみの『Mのロゴ』は「向かい合った二人が握手をしている様子」から作られています。
第1回 Mix Leapの様子とMix Leapの『Mのロゴ』
ここから約2年半、ほぼ毎週開催することで、これまでに157回(3/10現在)ものイベントを開催してきました。
その中でわれわれ二人が感じたことを、これまでの企画・運営を振り返りながら書いてみたいと思います。
企画・運営を通して感じたこと
Mix LeapではJoint(業種・業界を越えたコラボイベント)やLT(5分間のプレゼン会)など、複数のカテゴリーのイベントを開催していますが、主軸コンテンツとしてStudy(勉強会・セミナー)があります。
Studyは多様なヤフーの独自技術や、業界の最先端テクノロジーに触れることで関西のクリエイター(本記事では主にエンジニア・デザイナーを指します)がともに学び、ともに成長できる場として用意したイベントで、これまでに72回(3/10現在)開催しました。
テクノロジー企業としてStudyを数多く開催はしていますが、テクノロジーに触れたことがない人、業種・職種を越えて興味/関心を持った人が集まれる、そして新しい価値創造を目指しているのがMix Leapの特長でもあります。
そんなStudyの目的の一つが「勉強会を通してヤフーが持つテクノロジーを伝え、ヤフーがテック企業であることを知ってもらう」です。
計72回のStudyイベントの中で、ヤフー社員が登壇したのは54回。そこで計92人のクリエイターにヤフーのテクノロジーについて話をしてもらいました。
イベントの内容もアプリやウェブの開発から、サイバーセキュリティ、データサイエンス、さらにはデザインやUXまで。幅広い領域でヤフーの技術や取り組み、開発事例の紹介ができるイベントを企画してきました。
冒頭の説明をする運営の二人(写真左:中川、写真右:中嶋)
参加者の人数も開始当初は40〜50人規模だったのが、今では100名を超えるイベントも珍しくありません。
参加してくれた人の総数もStudyイベントだけでのべ5,000人を超え、徐々に『関西のクリエイター向け勉強会』として認知されてきた気がします。
また学生、ヤフー社員の参加者もそれぞれのべ1,000人を超えていることから、幅広い層に対してのリーチと、社内外交流にもつながっていると感じています。
そんな中、われわれがとくに良かったと感じた点は以下の4つです。
- 企画・運営に積極的に参加してくれる社員が出てきた
- 部門を越えた社内コミュニケーション(お互いのことを知る、つながりが生まれる)が活性化してきた
- 参加者から「こんな勉強会をやりたい(やってほしい)」という新しい提案を受けることが可能になった
- 参加者間の交流から、新しいイベント企画やビジネスが生まれた
開催も50回を越え、イベントの企画から関わってくれる社員が増えたあたりから「Mix Leap はPF(プラットフォーム)でありコミュニティーである」と感じるようになりました。
よく参加者から「Mix Leapって何を目的にやってるんですか? どんな効果がありますか?」と聞かれます。
最初の頃は、「とりあえず、イベントをやってみよう」と見切り発車状態だったので、MIx Leapの目的の定義にとても苦労しました。
社内向け・社外向けでイベント趣旨の説明を変えたり、当時設定していた目的や目標値も「正しいのだろうか?」と手探りな時期もありました。
会社として目指すゴールには、上にも書いた「ヤフーがテック企業であることを知ってもらう」といったブランディングがありますが、それだけでは関西圏のクリエイターの利には直接的にはつながりません。
Mix Leapの運営として目指すゴールは「関西圏のクリエイター同士がつながりあうことで、ともに助け合い、ともに成長すること」だと考えています。
もちろんイベントを通し、優秀なクリエイターがヤフーに入社し活躍してくれればうれしいです。ですが、もしそこだけに閉じてしまい、それ以上の価値を提示・体験できなければ、クリエイター同士が助け合うコミュニティーとして成立できません。
エンジニアとデザイナー、一般企業とスタートアップ、同じ課題を共有できる者同士がつながり、助け合い、新しいことに挑戦する。その中で(後々でもいいので)「Mix Leapがきっかけで出会った、解決した、誕生した」と言ってもらい、それがヤフーのブランディングにつながることを望んでいます。
社員からの声
先ほど良かった点で『運営に積極的に参加してくれる社員が出てきた』と書きましたが、社員からの声として大阪オフィスのエンジニア2名に「Mix Leapがあることで良かったこと、実現できたこと」を聞いてみました。
システム統括本部 サービスプラットフォーム本部 エンジニアの辻です。
2019年1月に中途入社して以来、何度かMix Leapの運営スタッフやイベント企画、登壇をしています。
エンジニアとして自身の学びをアウトプットすることがとても大切だと思っていますが、クリエイター自身がやりたい企画を持ち込めて、運営のフォローもしてもらえるMix Leapはとてもありがたい存在です。
とくに2019年夏に開催した「ドメイン駆動設計」をテーマとしたカンファレンスでは、多くの社外登壇者を招いて150人超のイベントを開催することができました。このイベントを通じて社内外多くのエンジニアと交流できましたし、自身の所属するチームや周囲に「ドメイン駆動設計」を知ってもらう良い機会を作ることができたと思います。
Mix Leapは毎回幅広いテーマで開催しているので、社内外問わず関西のクリエイターに多く参加していただき、ぜひ自身のこだわりや学びをにアウトプットしてもらえると嬉しいです。
【運営に関わった主なイベント】
- Mix Leap Study #43 - Scalaの表現力を知る!!
- Mix Leap Study 特別編 - レガシーをぶっつぶせ。現場でDDD! コラボカンファレンス
- Mix Leap Study 特別編 - GDCR2019 in 大阪
- Mix Leap Study #58 - Slackアプリ開発入門ハンズオン
メディア統括本部 開発本部 エンジニアの山崎です。
2018年に新卒で入社し、Mix Leapの運営スタッフやイベント企画、登壇をしています。
学生時代からさまざまなコミュニティーや勉強会の運営に個人でも参加してきました。その経験を生かし、Mix Leapでは、私が携わっているコミュニティーなどとのコラボ企画をしています。
以下に企画・運営に関わったイベントを挙げましたが、とくに「U30限定 LT会 ~勉強会の第一歩を踏み出そう~」は印象に残っています。関西で活躍する同世代のエンジニアの取り組みや、若手ならではの悩みは自分ごととして捉えることができ、実業務に活かせるノウハウだけでなくモチベーションの向上にもつながりました。
【運営に関わった主なイベント】
- Mix Leap Study #25 - Server Side Kotlinハンズオン
- Mix Leap × Kansai.kt Study #38 - みんなで学ぶKotlin!!
- Mix Leap Study #39 - DroidKaigi 2019 報告会
- Mix Leap Study #43 - Scalaの表現力を知る!!
- Mix Leap Joint #26 - U30限定 LT会 ~勉強会の第一歩を踏み出そう~
当日の司会も担当する社員(写真左:辻、写真右:山崎)
これからのMix Leap
今年いよいよ3年目を迎えるMix Leap。
最後に運営の二人が今後目指したいこと、チャレンジしてみたいことについて。
キーワードは「地域」「誰でも使えるPF」「あそこに行けば必ず出会える」
関西圏のクリエイターを支援するイベント形式は維持しつつ、さらにクリエイターのみなさんが未来に向かって飛躍するための場を提供しようとしています。
これまでも「Mix Leapが目指すゴール」に共感してくれる企業やコミュニティーとのコラボ開催イベントは何度もありましたが、その機会をさらに増やすためイベント企画・運営を持ち寄りで開催できるPF(プラットフォーム)化を目指します。
コラボ開催の数を増やすことで、Mix Leapに関わる全ての人が新しいコミュニティーや企業の存在を知り、新しい体験をする機会が増え、関西圏のクリエイター交流もさらに活発化します。
それによって
- 新規事業を考えてる人がイケてるクリエイターを探してるとき
- 新規サービスを考えてる人が、アイデアをブラッシュアップしたいとき
- キャリアの悩みや相談ができる人・企業を探しているとき
オンライン開催へのチャレンジ
連日の報道にもあるように新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、各地のイベントが中止・延期になっています。
そこでMix Leapでは新たに「Mix Leap Live」として、4月以降のイベントのオンライン開催を検討しています。
不測の事態にこそ「できない中で何ができるか」を考え、こんな時こそMix Leapの新しい価値を提案できるチャンスだという思いからの企画です。
今までヤフー大阪オフィスに足を運んで参加してくれた人が、今までと同じ価値を感じ、オフラインではできなかった体験を目指しますので、ご期待ください。
(ヤフー大阪オフィスのconnpassページをフォローしていただくと、イベント公開時にお知らせ通知が飛びます)
これからも「Mix Leap」をよろしくお願いします!
こちらの記事のご感想を聞かせください。
- 学びがある
- わかりやすい
- 新しい視点
ご感想ありがとうございました
- 中川 雅史
- コラボレーション推進部 LODGE
- ヤフー大阪オフィスのMixLeap企画・運営および、本社LODGEの活動やイベントを通して、社内外の人のつなぎ役をやっています。