テクノロジー

2019.12.14

デザイン思考を社内に広める活動紹介 〜 ユーザーファーストな「ものづくり」へ #デザイン思考

Yahoo! JAPAN Advent Calendar 2019の14日目の記事です。一覧はこちら(外部リンク)

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こんにちは。ヤフーのシステム部門でUXリサーチ、情報設計、UI設計などを担当している、UXデザイナーの近藤です。今回は、ヤフー社内で有志が取り組んでいる、デザイン思考の普及・推進活動についてご紹介します。

活動の背景

ヤフーは「UPDATE JAPAN」をミッションに掲げ、情報技術のチカラで日本をもっと便利にすべく、ユーザーファーストを意識したサービスづくりに日々取り組んでいます。

つくり手の思いつきや思い込みに頼らずお客様に問いながらものづくりを進めていくため、現場ではさまざまな手法やフレームワークが実践・推進されていますが、その中の一つがデザイン思考です。

デザイン思考とは簡単に言うと、ユーザーファーストで問題解決をするための思考法です。ユーザーに共感し、表面的なニーズにとどまらず潜在的な深いニーズ(インサイト)を考え、仮説検証を繰り返しながら、ユーザーの本質的な課題を解決するというものです。

アイデアが書かれた付箋
(ユーザーのインサイトを考え解決策のアイデアを出す)

紙に描かれた具体的な解決策のアイデア
(解決策のアイデアを素早く形にして、ユーザーからフィードバックをもらう)

こういったデザイン思考の考え方に共感し「デザイン思考を広めていきたい」という志を持った社員が集まって、社内でデザイン思考を推進するボランタリーグループ「デザイン思考ワーキンググループ」として活動を行っています。

デザイン思考ワーキンググループの活動

ワーキンググループのメンバーは、社内でワークショップを開催したり、各自が担当する案件でデザイン思考を実践・推進したりと、さまざまな形で普及・推進活動を行っています。ワークショップを開催するときは、社内でUXデザインの導入を支援する部署とも必要に応じて連携しています。

ワーキンググループへの参加条件は特になく、「デザイン思考を学び、実践し、広めたい」という熱意を持った社員なら、誰でもウエルカム。ワーキンググループ主催のワークショップを受講したことがきっかけで活動に参加したメンバーもおり、何をかくそう私もその一人です。

私は4年半ほど前に社内でワークショップを受講してデザイン思考に興味を持ち、ワーキンググループ活動を通じてデザイン思考への理解を深めつつ、社内のワークショップの講師をやったり、担当している業務の中でデザイン思考のプロセスを実践・推進したりしています。

ワーキンググループにはさまざまな部署のメンバーが集まっているため、他のメンバーの話を聞いて新たな気づきを得られることも多いです。

デザイン思考ワークショップ

ワーキンググループ主催のワークショップは、原則として半年に1回程度の頻度で実施してきました。可能な範囲で、ニーズに応じて追加で実施することもあります。

2019年度上期(2019年4月~9月)には、東京以外の拠点(八戸センター、天神オフィス)でのワークショップや、情報システム部門向けのワークショップ、他社と合同でのワークショップも実施しました。

ワークショップでは、デザイン思考の5つのモード「共感」「問題定義」「創造」「プロトタイプ」「テスト」をひととおり体験できます。

デザイン思考の考え方を知ってもらうことをワークショップの主な目的としているので、職種に関わらず参加者がアイデアを出しやすいよう、なるべく汎用性の高いテーマ(「お買い物体験の改善案を考える」など)を設定しています。部門向けのワークショップなどでは、参加者の業務に合わせて具体的なテーマを設定することもあります。

1.共感
ユーザーに対する深い共感を得るために、ユーザーに対してインタビューをしたり、ユーザーの行動を観察したり、ユーザーと同じ状況で同じ行動をしてユーザーになりきってみたりします。
ワークショップではインタビューの手法を用い、ユーザー役の人に、ワークショップのテーマに沿った質問をします。
例えば「お買い物体験の改善案を考える」というテーマであれば、最近お買い物をしたのはいつか、欲しいものをどうやって探したか、どこで買ったか、その商品を選んだ理由、買った商品の感想など、お買い物に関する行動や気持ちについて聞きます。
ユーザーの考えや価値観を知って深い共感を得るために、ユーザーの発言を深掘ることが重要です。

2.問題定義
ユーザーの発言・行動に表れたニーズを整理し、発言・行動に表れていない潜在的なニーズインサイト)を考えます。

3.創造
ユーザーのインサイトを満たすためのアイデアを出します。
最初は「質より量」でなるべくたくさんのアイデアを出し、ユーザーからフィードバックをもらいながらアイデアを集約していきます。

4.プロトタイプ
アイデアをユーザーが手にとったり体験したりできるよう、アイデアを表現したプロトタイプを作成します。
つくり込んだものでなくてよいので、短い時間で作成します。

5.テスト
作成したプロトタイプを使ってもらい、アイデアの仮説検証を行います。
テストをすることで、考えたインサイトが正しいか、アイデアがユーザーのインサイトを満たすものになっているかを確認し、間違っていれば方向性の確認、見直しができます。

アイデアが書かれた付箋
(八戸センターでは「フリーアドレスを快適にし有効活用するには」というテーマでワークショップを実施。「創造」のモードで、ブレストによりアイデアを出したところ)

「好きなものが同じ人たちが集まり、部署の枠をこえたコミュニケーションができる」というアイデアのプロトタイプ
(八戸センターでのワークショップの様子。「プロトタイプ」のモードで、アイデアを体験できるプロトタイプを作成。このグループでは、「好きなものが同じ人たちが集まり、部署の枠をこえたコミュニケーションができる」というアイデアのプロトタイプを作成)

ワークショップ参加者の職種は、デザイナー企画担当者のほか、最近ではエンジニアバックオフィス業務担当者も増えています。

デザイン思考の考え方は、ものづくりだけでなく業務改善などにも活用できるので、ワークショップの告知の際には「デザイン思考はユーザーファーストで問題解決をするための思考法です」と伝え、さまざまな職種の人に「自分ごと」として捉えてもらえるよう心がけています。

ワークショップの最後にグループごとの振り返りを行いますが、「インサイトを考えるためには、インタビューでユーザーの発言をきちんと深掘っておく必要があると感じた」「アイデアを見せてフィードバックをもらうことで、新たなアイデアにつながった」「ラフなプロトタイプでもアイデアは伝わった」など、参加者はさまざまな気づきを得ていました。

参加者のアンケートでは、職種に関わらず「デザイン思考の考え方を理解できた」「デザイン思考を業務で実践してみたいと思う」という回答が多く、デザイン思考がユーザーファーストな課題解決に役立ちそうだと感じてもらえているようです。八戸センターでは、ワークショップで学んだデザイン思考の考え方を、地域の課題解決のための取り組みに活用しているそうです。

デザイン思考の5つのモード「共感」「問題定義」「創造」「プロトタイプ」「テスト」は部分的に活用することも可能なので、「まずはインタビューでユーザーの声を聞いてみよう」など、気軽に実践してみてもらいたいと思っています。

おわりに

デザイン思考ワーキンググループはボランタリーグループのため、メンバーは各自の業務に支障のない範囲で活動しています。

活動にあたっては上長の了解を得るようにしていますが、上長をはじめ周囲の人たちが理解を示してくれるからこそ、続けて来られた活動です。

組織の枠をこえたボトムアップの取り組みが推進しやすい環境を、とてもありがたく思っています。


近藤 恭代

UXデザイナー

システム部門でUXリサーチ、情報設計、UI設計、UXデザイン推進を行いながら、社内でのデザイン思考普及・推進活動に取り組んでいます。

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