2019年5月23日

空間でのUXデザイン事例 〜 オープンコラボレーションスペース LODGE

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デザイン特集3本目の記事です。
こんにちは。ヤフー本社のオープン・コラボレーションスペース LODGEにてデザインを担当している市川大翔です。LODGEはYahoo! JAPANの中で数少ない、リアルな場所で展開しているサービスで、私はグラフィックから空間までさまざまなデザインを担当しています。今回はこのLODGEを例に、空間でのUXデザイン事例を紹介します。

LODGEイラスト

LODGEについて

LODGEはヤフー本社の17Fにある施設で、コワーキングスペース、イベントスペース、レストラン&カフェ、キッチン、フリーWi-Fiなどを提供しており、社内と社外の懸け橋になる場所として、ヤフー社員でなくても自由に利用できます。

どうしてヤフーは無料でLODGEをやっているの? と聞かれることが多いですが、ここに集まった人たちでできたコミュニティー、アイデア、実験的な取り組みがヤフーや社会の資産になるという考えのもと運営がされています。(※掲載内容は記事公開2019年5月時点での情報です)
インターネットにおいて、WWW(World Wide Web)というプラットフォームの上でさまざまなイノベーションが起こったように、それをリアルな場で再現しようというのがLODGEが生まれた背景です。

LODGEの狙い

LODGEが目指しているのはヒト・モノ・コトが交わる「情報の交差点」です。この空間にくると、面白い人に会える、新しいものに触れられたり気付きが得られる。これがみなさんに提供したいLODGEでの体験です。

交流を生み出すレイアウトデザイン

LODGEの空間作りで気つけているのは、どこにいても全体がオープンに見えるようなデザインにすることです。
例えばイベントも空間をほとんど区切らずに開催しています。イベントに参加していなくてもその情報が耳にはいってくるので、自分の関心がなかった分野から気づきを得られることも多くあります。それぞれの好みの外にあるものとの出会いが提供できるのも、アナログな場所LODGEの魅力だと考えます。

レイアウト

LODGE中央には「パートナースペース」を設けていて、ヤフー出身の起業家たちや、ヤフーが出資しているベンチャー企業がシェアオフィスのような形でつかっています。ここをヤフー社員と社外のコミュニケーションの中心としたいという思いから、「空間的な仕切きり」と「中がみえる状態」のバランスを両立しています。このスペースの入り口がスタンディングデスクになっており、そこで仕事をしている人が窓口になって中の人と外の人を繋ぐなど、ポジティブなコミュニケーションがうまれています。

それぞれの場所で効果的なコミュニケーションがうまれるようにと、レイアウト変更の日程ギリギリまで検討しました。

レイアウト図面

ものづくりを通じたコミュニティーデザイン

LODGEはレーザーカッターやUVプリンターなどの工作機械をそろえたFABスペースも持っており、ものづくりをきっかけとしたコミュニケーションを生む場として運営しています。

個々の興味の深掘りから新しいアイデアがうまれるという考え方のもと、社員向けに機器の使い方を教えています。機器の使い方を教えるチューターはものづくりが得意な社員にお願いしていて、延べ350人以上に講習をおこなってきました。講習を受けた社員の帯同であれば社外の方でも利用できるので、社外の方との交流の場にもなっています。

エンジニアにデザイナーがデザインソフトの使い方を教えたり、逆もしかりエンジニアがマイコンのプログラミングをおしえたりと、ものづくり課外活動でありながらスキルアップの場にもなっています。

工作事例
ものづくり
制作物は本格的な工作からスマートロックのプロトタイプまでさまざまです。

LODGEでのものづくりを促進するコンテンツとして、ものづくり系のワークショップも開催しています。
面白い加工技術や素材を持っているメーカーさんとコラボレーションし、手を動かすものづくりを体験できる内容となっています。このワークショップの取り組みに興味をもってくださった、大手の素材メーカーからオファーをいただき、ITとマテリアルを組み合わせた協同でものづくりをするプロジェクトもすすんでいます。

これまで接点のなかった分野や人との組み合わせに新しい可能性を感じてこれらの活動を行っており、IT以外のさまざまな分野の人と交流できるような空間を作ろうとしています。

ものづくりワークショップの様子
ワークショップコミュニティ集合写真

グッドデザイン賞を受賞!

LODGEは、2018年度グッドデザイン賞を受賞しました。「産業向け意識改革・マネジメント」というジャンルで、企業のオープンスペースのお手本となることに期待いただけたようです。「オフィスの外観というよりも、そこで行われた交流のあり方が評価された」と評価をいただき、コミュニケーションを軸としたUXを考えていた部分ではデザイナーとして貢献できたのではないかと思っています。

LODGEは直接的な収益をあげている事業ではありませんが、こうしたヒト・モノ・コトへのコラボレーションへの投資を積極的におこなっているのはヤフーならではの風土だと思います。

おわりに

LODGEにはユニークな事業や活動をしている人があつまっていて、私もいちLODGEユーザーとして毎日新鮮な発見があります。このようなオリジナリティーのある場は、他にはなかなか見つからないのではないでしょうか?

ヤフーという会社は世の中に数あるドメインのひとつにすぎません。LODGEに集まるみなさんの個々のドメインでやりたいことを実験できシェアし合える場でありたいと思っているので、ぜひみなさんもLODGEに来てみてくださいね。

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