こんにちは。Yahoo!クラウド エンジニアの粟飯原(あいはら)です。
2/27(水)、2/28(木)にホテルニューオータニ(東京・紀尾井町)で開催された「Cloud Days Tokyo 2013 Spring」に参加してきましたので、イベントの様子を報告します。 本イベントの詳細は、「Cloud Days Tokyo 2013 Spring」公式サイトをご覧ください。
今回の会場となったのは、ホテルニューオータニの鶴の間でした。バスケットボールのコートが3面ぐらいは入りそうな広い空間に、たくさんの人が訪れていて(来場者数は2日で14,183名)、非常に熱気に包まれていました。 弊社は講演セッションでの参加でしたが、傍らではクラウドで変革するICTの最先端の製品、サービスの展示ブースもあり、各社のブースは、製品を説明する側、聞く側ともに熱心で、クラウドやビッグデータ、スマートフォンに関する新しい製品や技術について、関心が高いことがよく伝わってきました。出口付近では、関連技術の書籍販売や、各社のコンパニオンさん(私はコンパニオンまでいるとは思っていなかったので、予想外でした)の存在など、ちょっとしたお祭り気分で非常に面白かったです。 新しい技術を取り入れることで、ストレージの管理を効率化する技術、クラウドを利用して豊富なサービスを提供するなど、今後クラウドの普及がますます進んでいくことを、実感できました。
○講演 「Yahoo! JAPANのクラウドストレージ戦略」
そんな中で、Yahoo! JAPANのクラウドストレージ戦略について、ビジネスクラウドサービスマネージャー 齋藤 伸吾が約1時間の講演を行いました。講演開始30分ぐらい前から参加者が入口付近に集まり、講演中会場は満席で、Yahoo! JAPANがクラウドで実現しようとしているサービスについての関心が非常に高いことが伺えました。
講演の主な内容は、最近のYahoo! JAPANの動きや、独自で開発したクラウドストレージの機能と特長。そのストレージがYahoo!ボックスなど、Yahoo! JAPANの主要サービスを支えている実績。ストレージサービスを法人向けに販売することで見えてきたお客様の課題を解決するために、米国Basho社の製品であるRiakを採用した経緯。最後に、新しいクラウドストレージサービスを通じてYahoo! JAPANが今後お客様のために提供したいサービスのあるべき姿を話しました。
講演の中で、「Yahoo! JAPANが持つインフラを活用し、データを蓄積、解析することでデータに付加価値を付け、新しいサービスをお客様に提供する。お客様の生活を支える未来のインフラを提供する」という思いを語っていました。なお、本講演のレビュー記事がITpro SPECIALに掲載されておりますので、こちらもぜひご覧ください。
○Basho社のRiakとは?
ではBasho社のRiakとはどんな製品でしょうか。ということで、簡単に概要を説明したいと思います。
Riakは、Basho社が開発した分散型で、拡張性のある、KVS(キーバリューストア)のデータベースです。Basho社は、RiakとRiak上に構築したストレージプラットフォームであるRiak CSをオープンソース(無償)として提供しており、エンタープライズ版(有償)としてRiak EDS、Riak CS Enterpriseを取り扱っています。なお、Riak CS/Riak EDSは、Amazon Simple Storage Service(S3)APIとの互換性が高く、S3用の多くのツールの利用が可能です。各製品の違いについては、Basho社のサイトをご参照ください。
Riakはマスターレスであるため、Riakクラスタを構成するノードの中に特別な役割のノードは存在しません。この事が、フォールトトレランスとスケーラビリティの基礎になっています。スケールアップ/ダウン(Riakクラスタへのノードの追加、削除)も、Riakの実行中にノードを追加することができますし、そのオペレーションもRiakが提供するコマンドをたたくだけでよいので、非常に簡単に行うことができます。
ノード追加した後のデータの再配置や、クラスタの構成はRiak自身が管理してくれます。データを保存する方法に、コンシステント・ハッシュ法を使用しているため、Riakはクラスタにノードを追加する際にデータの再配置を最小に抑えることができますし、運用者がデータの再配置を意識する必要はありません。
また、Riakクラスタ内のノードに障害が発生した場合、近隣ノードが一時的に障害ノードの処理を自動で引き継ぎます。障害ノードがRiakクラスタに復旧した際は、近隣ノードが復旧したノードに障害発生後の処理情報を自動でアップデートするので、障害ノードの復旧も簡単に行えます。
この事がRiakの可用性を保障しています。これらの仕組みにより、Riakクラスタを構成するノードに障害が発生しても、リクエストを受け続けることができますし、運用者にとっても操作しやすい製品になっています。
○まとめ
・今後、クラウド技術やビッグデータを使ったサービスがより身近になってくること。
・身近になってくるが、利用者はクラウドを使用している事はあまり意識する事はないということ。
・Yahoo! JAPANのクラウドがストレージサービスだけではなく、あらゆるデータを一元管理していくインフラを目指していること。
といったことを肌で感じることができました。自身が関わっているサービスも含め、今後もこういったイベントには積極的に参加して刺激を受けようと思います。
最後まで、読んでいただきありがとうございます。
2/27(水)、2/28(木)にホテルニューオータニ(東京・紀尾井町)で開催された「Cloud Days Tokyo 2013 Spring」に参加してきましたので、イベントの様子を報告します。 本イベントの詳細は、「Cloud Days Tokyo 2013 Spring」公式サイトをご覧ください。
今回の会場となったのは、ホテルニューオータニの鶴の間でした。バスケットボールのコートが3面ぐらいは入りそうな広い空間に、たくさんの人が訪れていて(来場者数は2日で14,183名)、非常に熱気に包まれていました。 弊社は講演セッションでの参加でしたが、傍らではクラウドで変革するICTの最先端の製品、サービスの展示ブースもあり、各社のブースは、製品を説明する側、聞く側ともに熱心で、クラウドやビッグデータ、スマートフォンに関する新しい製品や技術について、関心が高いことがよく伝わってきました。出口付近では、関連技術の書籍販売や、各社のコンパニオンさん(私はコンパニオンまでいるとは思っていなかったので、予想外でした)の存在など、ちょっとしたお祭り気分で非常に面白かったです。 新しい技術を取り入れることで、ストレージの管理を効率化する技術、クラウドを利用して豊富なサービスを提供するなど、今後クラウドの普及がますます進んでいくことを、実感できました。
○講演 「Yahoo! JAPANのクラウドストレージ戦略」
そんな中で、Yahoo! JAPANのクラウドストレージ戦略について、ビジネスクラウドサービスマネージャー 齋藤 伸吾が約1時間の講演を行いました。講演開始30分ぐらい前から参加者が入口付近に集まり、講演中会場は満席で、Yahoo! JAPANがクラウドで実現しようとしているサービスについての関心が非常に高いことが伺えました。
講演の主な内容は、最近のYahoo! JAPANの動きや、独自で開発したクラウドストレージの機能と特長。そのストレージがYahoo!ボックスなど、Yahoo! JAPANの主要サービスを支えている実績。ストレージサービスを法人向けに販売することで見えてきたお客様の課題を解決するために、米国Basho社の製品であるRiakを採用した経緯。最後に、新しいクラウドストレージサービスを通じてYahoo! JAPANが今後お客様のために提供したいサービスのあるべき姿を話しました。
講演の中で、「Yahoo! JAPANが持つインフラを活用し、データを蓄積、解析することでデータに付加価値を付け、新しいサービスをお客様に提供する。お客様の生活を支える未来のインフラを提供する」という思いを語っていました。なお、本講演のレビュー記事がITpro SPECIALに掲載されておりますので、こちらもぜひご覧ください。
○Basho社のRiakとは?
ではBasho社のRiakとはどんな製品でしょうか。ということで、簡単に概要を説明したいと思います。
Riakは、Basho社が開発した分散型で、拡張性のある、KVS(キーバリューストア)のデータベースです。Basho社は、RiakとRiak上に構築したストレージプラットフォームであるRiak CSをオープンソース(無償)として提供しており、エンタープライズ版(有償)としてRiak EDS、Riak CS Enterpriseを取り扱っています。なお、Riak CS/Riak EDSは、Amazon Simple Storage Service(S3)APIとの互換性が高く、S3用の多くのツールの利用が可能です。各製品の違いについては、Basho社のサイトをご参照ください。
Riakはマスターレスであるため、Riakクラスタを構成するノードの中に特別な役割のノードは存在しません。この事が、フォールトトレランスとスケーラビリティの基礎になっています。スケールアップ/ダウン(Riakクラスタへのノードの追加、削除)も、Riakの実行中にノードを追加することができますし、そのオペレーションもRiakが提供するコマンドをたたくだけでよいので、非常に簡単に行うことができます。
ノード追加した後のデータの再配置や、クラスタの構成はRiak自身が管理してくれます。データを保存する方法に、コンシステント・ハッシュ法を使用しているため、Riakはクラスタにノードを追加する際にデータの再配置を最小に抑えることができますし、運用者がデータの再配置を意識する必要はありません。
また、Riakクラスタ内のノードに障害が発生した場合、近隣ノードが一時的に障害ノードの処理を自動で引き継ぎます。障害ノードがRiakクラスタに復旧した際は、近隣ノードが復旧したノードに障害発生後の処理情報を自動でアップデートするので、障害ノードの復旧も簡単に行えます。
この事がRiakの可用性を保障しています。これらの仕組みにより、Riakクラスタを構成するノードに障害が発生しても、リクエストを受け続けることができますし、運用者にとっても操作しやすい製品になっています。
○まとめ
・今後、クラウド技術やビッグデータを使ったサービスがより身近になってくること。
・身近になってくるが、利用者はクラウドを使用している事はあまり意識する事はないということ。
・Yahoo! JAPANのクラウドがストレージサービスだけではなく、あらゆるデータを一元管理していくインフラを目指していること。
といったことを肌で感じることができました。自身が関わっているサービスも含め、今後もこういったイベントには積極的に参加して刺激を受けようと思います。
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