2009年3月13日

歴史

二人のマーク

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COO室の曽根です。

『二人の』シリーズ、最終回は『二人のマーク』をお届けします。


一人目はマーク・アンドリーセン(Marc Andreessen, 1971年生まれ)。今のインターネットの事情から考えると信じられないが、「ブラウザで画像を表示できるようにした男」が彼である。アンドリーセンはイリノイ大学内のNCSA(米国立スーパーコンピュータ応用研究所)でエリック・ビナらとともにブラウザ(モザイク)の開発を行っていたが、モザイクのライセンス化を考えていたNCSAと折り合わず、離脱していた。そこに登場したのが第二回で紹介したジム・クラークである。
クラークの声がけにより、再びブラウザを作るべく二人は会社を興した。そして、会社は業績を約束されたかのように成長し、ネットスケープコミュニケーションズとして1995年に株式公開を果たした。
その後、ネットスケープコミュニケーションズはAOLに買収され、しばらくしてアンドリーセンは去っているが、今でもDiggやTwitterなど、名の知れたスタートアップにかかわり続けている。


二人目はマーク・ザッカーバーグ(1984年生まれ)。彼はハーバード大学在学中の2004年、学生用のソーシャルネットワーキングサービスとしてフェイスブックを立ち上げた。瞬く間にほかの大学用にも広がったそのサービスは2006年には誰でも使えるようになり、今やそのユーザー数は1億5000万人を超えてしまった。現在はフェイスブック社のCEO(最高経営責任者)を務めている。
彼に世界の耳目が一気に集まったのは2007年にマイクロソフトが出資したときだろう。弱冠23歳の若者が運営する会社に2億4000万ドルのも大金が出されたのである。くしくも1995年にネットスケープが株式公開ときアンドリーセンも23歳。二十代最初の素数の歳、23歳には特別なパワーでもあるのだろうか。


二人のマークを一言で表すなら、OS(パソコンの基本ソフト)にブラウザを載せたのがアンドリーセン、ブラウザの上にさらにアプリケーションを載せたのがザッカーバーグと言えるかもしれない。
二人に共通しているのは在学中に開発したソフトウエアで所属団体とあつれきを起こしてしているということだろう。アンドリーセンはモザイクでNCSAと、ザッカーバーグは在学中に作った校内用ソフトウエアで大学側トラブルを起こしている。見方を変えれば、これは一人のデベロッパーの力で本当に世界が変わってしまうことを表しているのかもしれない。これこそがインターネットのだいご味、もっと大げさ言えばネット社会のダイナミズムだと言えるのではないだろうか。


インターネットの登場によって、世界の情報がたやすく手に入る時代が到来した。ショッピングサイト、 オークションサイトが登場し、証券取引から、ファイル共有の仕組み(違法性の高いサービスがなければもっと素晴らしいのだが)、ブログが出てきて、もうこんなもんだろうと思っていたらソーシャルネットワーキングサービスが出てきた。二人のシリーズで紹介した先達たちが作り上げたインターネットは思いもしなかったことが次々起こる面白い世界だとつくづく思う。1993年にWWWが開放されてからまだ16年。まだまだ楽しい出来事は続きそうだ。

第一回「二人のティム」はこちら
第二回「二人のジム」はこちら
第三回「二人のラリー」はこちら

■参考文献(第一回〜第四回)
* 新・電子立国 6 コンピュータ地球網 相田 洋・矢吹 寿秀 日本放送出版協会 ISBN:4140802960
* アラン・ケイ アラン・C. ケイ アスキー ISBN:4756101070
* インターネット激動の1000日―WWWの地平を切り開くパイオニアたち〈上〉ロバート リード 日経BP社 ISBN:4822240746
* インターネット激動の1000日―WWWの地平を切り開くパイオニアたち〈下〉ロバート リード 日経BP社 ISBN:4822240754
* パーソナルコンピュータを創ってきた人々 脇 英世 ソフトバンククリエイティブ ISBN:4797307412
* CBS 60 Minutes, Facebook (2008)
* The Facebook Blog - A Great Start to 2009

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