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テクノロジー

つくるってたのしいね! Yahoo! JAPAN Hack Day 2018 開催レポート

集合写真

こんにちは、ヤフー株式会社 Developer Relations アドボケートの山本です。
先日12/15,16に秋葉原で弊社主催のクリエイターフェス「Hack Day」を開催しました。

Yahoo! JAPAN Hack Day 2018/テクノロジーを楽しむワンダーランドやります!ライブパフォーマンス、技術で遊んでみよう展、ハッカソンなど! #つくるってたのしいね

Hack Dayは企画展示やLiveパフォーマンスなどさまざまなコンテンツで構成されているのですが、本記事ではHack Dayの原点であるハッカソンに注目してレポートします!

Hack Dayとは?

作りたいものを使いたい技術で気の合う仲間と作る。これはクリエイターが最も輝くシチュエーションだと思います。
Yahoo! JAPANでは、クリエイターが輝ける環境づくりを目指しており、その1つが10年以上続いているHack Dayです。

決められたテーマはなく、連続した二日間(24時間)でアプリやIoTデバイスなどの開発に挑戦します。プレゼンテーションの準備もその期間内に行い、各チーム90秒で作品を発表します。

もともとは社内のハッカソンイベントとして始まりました。
今年のアドベントカレンダー2日目で紹介された「MYM」という長らく社内コミュニケーションを支えてくれたチャットシステムもこのHack Dayから誕生しました。

ありがとう、MYM 安らかに眠れ - Yahoo! JAPAN Tech Blog

他にも子会社が生まれるきっかけにもなるなど、人材育成だけには留まらない、ヤフーの大切な文化の一つとなっています。

2013年からは一般のクリエイターのみなさまもお招きし、日本最大級のハッカソンとして企業や年齢の枠を越え独創性・技術力を発露しあう場に、そして2017年からは、見て・触って・作って楽しめる展示・体験コーナーも用意し、誰もがテクノロジーを楽しめる、ものづくりをオールナイトで楽しむフェスとなっています。

受賞作品一覧

「Yahoo! JAPAN Hack Day 2018」では日本全国から80チーム、老若男女326人にエントリーをいただき、ハッカソンを開催しました。たくさんの作品の中からプレゼンテーションと展示による審査を行い7つの賞を用意し表彰を行いました。それらの受賞作品を紹介します。

最優秀賞

Fun/Tech/Hackの各観点、全てにおいて優れた作品

  • 作品名:バーチャルスタジオカメラ
  • 概要:リアルタイムに背景合成。緑の布や特殊機材も不要で、スマホ1台で。
  • チーム:二郎は野菜ニンニク派

バーチャルスタジオカメラ
iPhoneX以降に搭載されているTrueDepthカメラを利用してリアルタイムでクロマキー合成を行うスマホアプリ。

Happy Hacking賞

ニコ生視聴者、出場者による投票 最多獲得作品

  • 作品名:Meters
  • 概要:モバイルバッテリーを貸し借り。貸主と借主を引き合わせる機械。
  • チーム:つくるラボ

Meters
モバイルバッテリーとUSBケーブルの間に接続できるBLEモジュールを内蔵したスマートバッテリーメーター。スマホの電池が切れそうな人とモバイルバッテリーを持っている人をマッチングするスマホアプリと連携しどれぐらいバッテリーを提供したかもロギングされるシステム。

Fun賞

プロダクトが楽しいか。使ってみたいと思わせる魅力があるか。

  • 作品名:MON=BAN
  • 概要:親が近づいたら画面を隠す。自室ドアの開閉を検知し、スマホ等の画面を自動制御。
  • チーム:Sheld Developers

MON=BAN
人感センサーとドアの開閉センサーで人の接近を検知して、スマホやPCの画面を切り替えるESP32ベースのIoTサービス。

Tech賞

技術力が優れているか。24時間内でプロダクトを実装した技術力の高さ、単純にAPIやライブラリの組み合わせだけではない、デジタル処理による驚きを与えられているか

  • 作品名:まんがか
  • 概要:タイトルだけで漫画を自動生成。世の中の膨大な漫画の会話からセリフやコマ割りを構築。
  • チーム:もっちり

まんがか
タイトルを指定すると、世の中の漫画やアニメの会話データ数万件を元にマルコフ連鎖などを用いてタイトルと関連する会話を生成。

まんがか
生成された会話文章から重要語を推定して、イラスト選定や前後配置、コマ割りと吹き出し描画、集中線などの背景処理までを自動で行うWebサービス。

Hack賞

他の人が思いつかない用途開拓や応用力に優れているか。改変/改良/分解/改造/抜け道発見

  • 作品名:走馬灯 VR
  • 概要:死ぬ瞬間を疑似体験。VRで屋上から落下しながら、思い出の写真が走馬灯のように。
  • チーム:ゾクゾク

走馬灯 VR

  • 概要の補足:Facebook APIで過去の思い出の写真を取得し、Microsoft Azure Face APIを用いて喜怒哀楽にあふれる写真を抽出。そこから走馬灯を生成しOculusGo上で閲覧できるVRアプリ。

課題解決賞

ヤフーのミッションは「課題解決エンジン」として、情報技術で人々や社会の課題を解決することです。今回の作品の中から、最もインパクトのある課題解決プロダクトを生み出した作品を選出いたします。

  • 作品名:Beyond the 聖徳太子
  • 概要:何人かと同時に話せるロボット。互いの声を邪魔せずに、複数の人と同時に会話できる。
  • チーム:ウエスト・ロック・コーモナント

Beyond the 聖徳太子
指向性マイクと指向性スピーカーを使うことで、同時に複数人の接客を可能にするロボットシステム。

データエクスペリエンス賞

ヤフーではデータの利活用を推進しています。今回の作品の中から、データを活用して、最も新しい体験を生み出した作品を選出いたします。

  • 作品名:DaiRanTou
  • 概要:格闘ゲーム風の動画を生成。人物の動きを解析し、当たり判定やKOシーンを自動編集。
  • チーム:kn-lab

DaiRanTou
格闘技をしている動画を読み込ませると、ディープラーニングを用いて体勢検出。

DaiRanTou
パンチやキックなどの当たり判定を行い、動画にエフェクトの付与を行うシステム。

利用技術の傾向について

今回最終的に75チームがプレゼンをしてくださいました。
プレゼン内でシステム構成を紹介してくださったり、作品の機能から推測できる範囲で各作品で利用されている技術要素を集計してみたので紹介します。推測も混じっているので正確ではないですが「作りたいものを使いたい技術で気の合う仲間と作る」というHack Dayの特性上、世間のクリエイターが興味を持っている技術のトレンドなどが垣間見えるのではないかと思います。

電子工作系作品について

RaspberryPiやArduinoの登場以降、ハッカソンの場で電子工作系作品を見る機会は急増しましたが、今回のHack Dayでは41.3%(31/75)の作品が電子工作系でした。
スマホのネイティブアプリ(Webアプリは除く)は30.7%(23/75)だったので、電子工作系の根強い人気を感じます。
ただHappy Hacking賞を受賞したMetersのように電子工作と連動するスマホアプリを同時に開発するパターンも増えてきている印象です。

市販のデバイス類について

入力装置やVRの出力装置として市販のデバイスを使っていたチームも目立っていたように思います。
JINS MEME, ルンバ, RealSense, Google AIY Vision Kit, Amazon Echo Dot, MindWave, Kinect, Hololens, Oculus Goとさまざまなデバイスが使われていましたが、特にこれが多かったという印象はありませんでした。(MindWaveを使っているチームが複数あったのはビックリしましたが)
ただKinectを使っていたチームが1つだったのに対し、ディープラーニングを用いて人の骨格検出を行っていたチームは複数あったので、それに関しては技術の移り変わりを感じさせたように思います。

WebAPIの利用動向について

TwitterのAPIが3チーム、 LINE BotとAzure Face APIが2チームずつ、その他はNTTドコモ自然対話API, Slack, Pixabay, FacebookのAPIを使っていたチームがありました。

こうして集計をしてみると、ハッカソンにもかかわらずKubernetesを使っているチームを見つけたり、発見があって面白いです。
ただプレゼンの中でプログラミング言語やフレームワークに何を使ったかまで紹介しているチームもあれば、システム構成には触れないチームもありましたので、イベント後にでも利用技術についてアンケートをとらせていただくなどすれば、より技術トレンドの遷移が明確になるのと、表面からは分からないバックエンド側のトレンドなども推測できるのではないかと思いました。
クリエイターにとっても興味深い情報になると思うのですが、ハッカソン参加者の皆さんに負担を掛けることにもなるので良いバランスを検討していきたいと思います。

まとめ

私は1日目からハッカソンの開発風景を見学したのですが、一番印象的だったのは参加者のみなさんがみんな楽しそうに開発に打ち込んでいらっしゃったことです。
Fun賞を受賞されたSheld Developersの代表者の方が受賞コメントで、Hack Dayのキャッチコピーにもなっている「つくるってたのしい!」と叫んでくれたこと、それに対するオーディエンスの歓声には感動しました。
24時間本当に大変だったと思うのですが「作りたいものを使いたい技術で気の合う仲間と作る」というのは、やはりクリエイターが最も輝くシチュエーションで、どんな問題や課題も乗り越えられる楽しさにつながるんだろうなと感じました。

本記事を読んで興味を持っていただいたクリエイターの皆様、次回のHack Dayにはぜひご参加ください。
またYahoo! JAPANのテクノロジーの現在と未来をカンファレンス形式でご紹介するYahoo! JAPAN Tech Conference 2019というイベントが来年1/26(土)に、他にも学生限定のHack Uというイベントも不定期に開催していますので、そちらもぜひウオッチしてください。

最後に

今回受賞した7作品の紹介を行いましたが、実はもう一つ1つ賞が残っています。

Buzz賞

自チーム開発作品の写真・動画をツイートし、指定期間中に一番Buzzったツイートの投稿者の所属するチームに贈賞いたします。

ぜひTwitterでハッシュタグ「#HackDay作品」「#つくるってたのしいね」「#hackdayjp」を検索して、これは欲しい!使ってみたい!と思った作品のツイートにいいねやリツイートをお願いします!

それでは次回のHack Dayで皆さまとお会いできることを楽しみにしております!

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