こんにちは、Hack Dayプロデューサーの善積です。
ヤフーが例年開催しているテクノロジーイベント「Yahoo! JAPAN Hack Day」が、3月20〜21日にかけてオンラインで開催されました。
Hack Dayってどんなイベント?
テクノロジーをもっと身近に、もっと楽しむための、お祭りのようなイベントです。
今年は80チームが出場登録を行い、24時間で開発した作品を90秒で発表して競い合いました。
すべての作品情報は公式サイトに掲載されていますので、ぜひご覧ください。
テクノロジー利用動向
毎年恒例となってきましたが、どのようなテクノロジーが使われていたのか、傾向をみていきましょう。
今回はアンケートに回答いただいた内容に基づいてチームごとに集計し、未回答分は含まれていません。
前回の動向はこちらの記事をご覧ください。
作品の種別
今回はオンライン開催になったことで、Webアプリやチャットアプリが増えた一方、直接体験して魅力を伝えにくい電子工作やVR/ARが減りました。
またPCアプリに関しては、リモートコミュニケーションの課題を解決する作品が例年より多く見られました。
今回はブロックチェーンがテクノロジーとして提供されたことで、Dapps(自律分散型アプリケーション)が登場するなど作品の幅も広がってきています。
プログラミング言語
今回はDartの利用チームが大幅に増えました。
Flutterの普及によって、SwiftやKotlin以上に使われた言語となりました。
Pythonも前回以上に利用されており、機械学習だけでなく、FlaskやDjangoを利用したWebアプリケーション開発にも多く使われています。
利用プラットフォーム
チャットアプリが増えたことによって、LINE Messaging APIなど、LINEをプラットフォームとして利用した作品が多く生まれました。
またホスティングサービスは、これまでHeroku一択でしたが、今回はVercelとNetlifyが台頭してきています。
VercelやNetlifyはビルドとホスティングを一緒に担ってくれるという点で、ハッカソンとの相性がよさそうです。
提供テクノロジー
提供いただいたテクノロジーのなかでは、技術的にも取り入れやすいGeneral OCR(光学的文字認識)やNLU(自然言語理解)の利用率が高くなりました。
使いやすかった分、テクノロジーを使った先でどのようなアイデアを実現したのか、という部分でそれぞれのチームの作品に差が出たように感じます。
一方で、一定の理解が必要となるテクノロジーについては、利用シーンや適用方法が非常によく練られた作品が多く見受けられました。
受賞作品
今回は計13の賞が贈られたため、本記事では最優秀賞の作品のみ紹介します。
すべての受賞作品は公式サイトからご覧ください。
最優秀賞「ネオネンガ」
ポピポポピピプピリロピロリププププピーポが開発した「ネオネンガ」は、最優秀賞をはじめ、Happy Hacking賞、ClearML ML-Ops Award、LINE Blockchain Developers賞の4賞を獲得しました。
多くのテクノロジーを活用したこの作品ですが、個人的に注目したのは下記のようなところです。
- 住所などの個人情報を暗号化してデータベースに保存する(暗号化したまま検索もできます)
- 付帯するお年玉の額などが改ざんされないよう記録する(お母さんに貯金されても大丈夫)
- 非代替性トークンによって唯一のデジタル資産として担保する(昨今はNFTアートとしても注目されていますね)
この数年でほとんどのHTTP通信が暗号化されたように、あと数年後には上記のような実装が当たり前になっているかもしれない、と思わせられた作品でした。
次回に向けて
開催方法
今回の出場者にアンケートをとったところ、次のような結果になりました。
それぞれの意見のうち、多数寄せられたものを抽出してみました。
オンライン開催
- 気軽に出場できる
- 時間の都合がつけやすい
- 移動時間を気にしなくてよい
- どこに住んでいても出場できる
- 開発環境が充実している
オフライン開催
- 他チームと交流しやすい
- 作品を実際に触ってほしい
- 臨場感を味わえる
- みんなで集まってつくるのが楽しい
- コミュニケーションしやすい
オンラインにはオンラインのよさ、オフラインにはオフラインのよさがあることがわかります。
Hack Dayとしては、より多くの出場者に楽しんでいただけるよう両方の良いところを取り入れ、ハイブリッド開催を目指して検討を進めていく所存です。
未来のテクノロジーの可能性を広げる場へ
今回のHack Dayでは、最先端のテクノロジーを多くのクリエイターの方に使っていただき、その可能性を見いだすというチャレンジを行いました。
これはHack Dayが、イベントとしての持続可能性を高めるとともに、より社会への貢献を実現するための一つの方法でした。
今後もテクノロジーの可能性が広げることで、新たな事業提携の可能性に限らず、広報、採用などにもよい影響を与えられるイベントにしていきたいと考えています。
今年はデジタル庁も設置され、社会のDX(デジタルトランスフォーメーション)がより加速する年となりそうです。
「つくるってたのしいね」が、多くの人に届けられるよう努めて参りますので、今後のHack Dayもぜひ楽しみにしていてください。
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- 学びがある
- わかりやすい
- 新しい視点
ご感想ありがとうございました