こんにちは。Developer Relationsの水田と有田です。 ヤフー社内には、ものづくりを楽しみたい社員が利用できるFabスペース(さまざまな工具やデジタルファブリケーション機器がそろった工房)があります。 あまり知られていない、秘密基地っぽさのあるこちらのスペース。どんな機器があるのか紹介しつつ、ここを作った思い、さらにはヤフー社員によるものづくり活動の事例についてまとめます。
全面ガラス張りのFabスペース
Fabスペースがあるのは、弊社紀尾井町オフィスの17階、オープンコラボレーションスペース「LODGE」内の一角。ガラスに囲まれたスペースにあります
中には3Dプリンターやレーザーカッターといった、デジタルファブリケーション機器に加え、半田ごて、ノコギリや電動ドリルなどの工具がそろっています。またA0サイズまで出力できる大型プリンターもあり、ポスターセッションの準備などでよく利用されています。
利用できるのは主にヤフー社員。講習不要の機器もありますが、スキルが必要なものについては社員向けの講習プログラムが用意されています。受講後は設備予約をして利用可能です。材料を持ち込めば、機器自体は無料で使えます。また社員との同伴であれば、社外の方も利用できます。
では、Fabスペースでよく利用されている機器と、それを使った作品をご紹介しましょう。
レーザーカッター
アクリルや木の板を好きな形にカットしたり彫刻できるデジタルファブリケーション機器です。Illustratorでデータを作成し、機器専用アプリケーションに出力して使います。 レーザー光を用いて焼きながら部材を加工するので、加工を間違うと危険です。そのため、利用の際には必ずメンター(専門的な知識を習得している社員)が必ず立会うことにより、安全に使用できます。
3Dプリンター
作成した3Dデータをもとに、立体的な造形物を作成してくれる3Dプリンター。 Fabスペースには細い糸状のプラスチック樹脂(フィラメント)を溶かして積層を作るタイプと、紫外線を使って樹脂を固める光造形タイプの2種類があります。 こちらは講習なしで利用OK。セットしてから完了までに時間がかかるので、ときどきFabスペースの外からも、造形中の様子を見ることができるかもしれません。
UVプリンター
いわゆるインクジェットタイプの印刷機器です。UV硬化インクを使っており、普通のプリンターでは印刷できないアクリルや金属にもプリントできます。 マットな印刷だけでなく、透明インクを重ねてプリントすることで、ツヤ感のある加工もできます。
他にちょっと変わった機器としては、いずれも小型ですが、CNC切削加工と射出成形の機器もあります。
ヤフーはなぜFabスペースを作ったか
FabスペースがあるLODGEはオープンコラボレーションスペース。「!」なサービスを生み出すべく、ヤフー社員のみならず、社外からの利用者が出会える情報の交差点として、「未来のあたりまえ」になるような、イノベーション創出を目指す場所です。
その中で、数ある機会のひとつとして、Fabスペースも設立されました。 Fab機器を使った実験や遊びを通じて個々の興味や関心ごとを深掘ることができ、ものづくりによる交流や発見を通じてイノベーションにつなげていく。そんな役割を担っています。
Fabスペースで活動する「make部」
実際にどのような社員が利用しているのか。ここでは毎週木曜に活動している、社員有志による課外活動「make部」をご紹介します。
メンバーは現在16名。部活動なので、いちおう水田が部長をつとめていますが、社員同士のゆるいつながりで運営しています。Slackで出欠をとって、出席できるメンバーがその日になにを作るかを宣言。もくもくと自分の決めた作業をします。 部員同士はそれぞれの得意分野をオープンにしており、お互いに学び、新しいスキルにチャレンジできるようにしています。
8月にはLODGEで開催された「つくった展」に、make部として初出展。革細工やアクリル加工、電子工作など、Fabスペースで誕生した作品を展示しました。
部員の中にはものづくりの祭典「Maker Faire」に出展するメンバーもいます。そのため、会期が近づくにつれてmake部活動に参加する社員も増え、Fabスペースが混み合うこともしばしば。 また、社外でメイカー活動を行うクリエイターのみなさんと共同で作品開発をすることもあります。
Fabスペースから生まれた作品たち
どんな作品が生まれているか。気になりますよね!
Fab機器利用やmake部活動を通じて誕生した作品をずらりと並べてみました。
Fabスペースでできることをもっと具体的に知りたいという方は、LODGE内のガラス張りのスペース周辺に、外部からも見える形で作品やサンプルが置かれているので、ぜひお気軽にご覧ください。
「場所がある」だけではない、Fabスペースの魅力
企業内にオープンなFabスペースがある最大の魅力は何か。 それは、ここに集まる人です。
例えば電子工作は得意だけど、プロダクトデザインは苦手......という場合でも、Fabスペースにいる誰かにアイデアを共有すると、アドバイスをもらうことができます。私自身がアドバイザーになることもあります。 もちろん機材が充実していることも大切です。学んだことをすぐに試せるので、失敗や成功を繰り返しながら、次第に1人で頭の中にあるイメージを形にできるようになってきます。 完成したものをFabスペースにいるメンバーで試したり、感想を言い合えるのも重要なプロセスだと感じています。
おわりに
今回はmake部を中心とした個人での創作活動をご紹介しました。他にも、ヤフーサービスのキャンペーン用のノベルティを内製したり、メディアアートの作品づくり、VR開発を行う有志活動なども行われています。 実はHack DayのTwitterアカウントの中の人が投稿している作品にも、Fabスペースで誕生したものがあります。
みんなが「 #猫の日 」とツイートするたびに、反応してブンブン動く猫じゃらし作ってみました
— Hack Day(ヤフー株式会社)12/15@秋葉原イベント開催 (@hackdayjp) February 22, 2019
突貫ですがTwitterさんの公開APIとラズパイにて。IoT猫じゃらしとでも呼んでおきます。#RaspberryPi #電子工作#つくるってたのしいね pic.twitter.com/R5prPiN9eS
以上、ヤフーのFabスペースのご紹介でした。いかがでしたか。 今後もLODGEでものづくり関連のイベントを開催する機会があると思います。興味のある方は、ぜひLODGEカレンダーをチェックしてみてくださいね!
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