こんにちは、ヤフー名古屋オフィスでエンジニアをしている高木克彰です。
第4回目となるヤフー名古屋 Tech Meetupを2019年11月12日に開催しました! 今回のテーマは「OSSコミッターNight」です。ヤフー社内のOSSコミッターで黒帯の3名に日頃の活動内容や利用実績などを4つのセッションを通してお話いただきました。
今回も大変ありがたいことに、増枠となるほどの人気ぶりでした。本記事では、参加できなかった方にも少しでも当イベントを知ってもらえるよう、セッション内容とイベントの雰囲気を簡単にお伝えします。
セッション1:Apache Hadoopコミュニティーとヤフーの関わり
最初のセッションでは、弊社9代目Hadoop黒帯の鰺坂から、Apache Hadoopコミュニティーとの関わり方やなぜコミュニティーと関わるのかを自身のこれまでの経験などを踏まえてお話させていただきました。 ちなみに会場の参加者でApache Hadoopを知っている方は9割ほどでしたが、そのうち使ったことがある方は1割ほどでした。
Hadoopの解説とヤフーでの活用事例を紹介し、運用で出てきた知見をどのようにしてコミュニティーに還元してきたのかや、そもそもOSSコミュニティでの活動は何をするのかなど、幅広い内容となりました。
特に、これからOSSにコミットしてみたい方向けの話として、パッチを送る以外にもドキュメントを直すところから貢献する方法も紹介があり、参加者からは挑戦してみようかなという声がありました。
セッション2:身近な技術的課題から始めるOSSプロジェクト
2つめのセッションでは、弊社9代目iOSアプリ黒帯の林から、OSSプロジェクトをどこから始めればよいのか迷っている方向けに、身近な技術的課題から始める事例をお話させていただきました。
社内向けにSwiftUIを勉強するためのライブラリーを作成しています。これをヤフーが主催の勉強会Bonfireにて紹介したところ、参加者の反応がよかったことから、OSSとして公開しました。 「OSSとして切り出すことを意識しながらクラス設計をすると、機能が明確化され疎結合なコードが書けた」という経験は、参加者から参考になるとの声が多かったです。
セッションの中で紹介された実際に公開しているOSSはこちらです!
セッション3:標準技術に携わる理由と標準化活動のやり方について 〜ID連携・認証領域の事例〜
3つ目のセッションでは、弊社9代目認証技術黒帯の倉林から、「標準技術になぜ携わるのか」や「標準化活動のやり方」についてヤフーでのID・認証領域の事例をもとにお話しました。
OAuthを例に標準仕様を探す方法、RFC(Request for Comments)の初学者向けの読み方、ヤフーでのFIDOの導入事例、シーケンス図を用いた解説がとても参考になりました。
参加いただいた方の中には、Web業界における認証技術の標準化活動に興味を持っている人も多く、特にFIDOの仕様の解説が参考になったとの声がありました。
Q&Aセッション
今回は普段とは趣向を変えて本編の全セッションの後に会場からの質問に対談形式で答えるQ&Aセッションを行いました。 ファシリテーターはヤフー名古屋オフィス勤務で自身も積極的にOSS活動をしている近藤が務めました。
※ここでは一部のQAについて紹介していきます。また、内容の一部は筆者にて表現を修正しております。
最初のOSSへのコミット経験、きっかけは?
鰺坂「憧れでやってみようと思っていて、前職で機会があったのでそこで挑戦してみたのがきっかけですね。最初はドキュメントの修正をしていました。」
林「OSSを利用していて、バグを踏んだ時にissueを書いたのが始まりですね。コツとしてはどういう条件で動かないかなどの情報をつけて送る事ですね。」
倉林「業務で導入することになったことをきっかけに勉強したのが始まりですね。」
OSSへの貢献で目立っているなと思うすごい企業は?
- 鰺坂「Hadoopですと、今まではベンダー系やTwitter、Linkedin、Uberがコントリビュートしてきてますが、最近はアリババやDiDiなどの中国企業がものすごい勢いでコントリビュートしてきていますね」
- 倉林「標準技術ですと、MicrosoftやGoogleは自分たちが作った技術を標準化したい意向があるようなので積極的だと感じますね。」
OpenID認証で不適切な実装から発生するセキュリティリスクなどについてどのように思われてますか?
- 倉林「提供側が、いかに安全にIDを提供していても、それを利用する側の実装がよろしくないと脆弱性になってしまうのを課題に感じていますね。なので正しい実装の仕方などを啓発する活動を行っています。」
ちなみにヤフー名古屋 Tech Meetupでは提供フードとして登壇者の出身地にちなんだ飲食を用意しています。今回は埼玉県と三重県と大阪府のものをそれぞれ用意し、毎回好評いただいている地ビールと合わせて提供しました。
今回は大阪出身の登壇者に合わせて舟皿で提供しました。ミニ旗と合わせて思わず写真を撮りたくなる工夫がされているのもヤフー名古屋 Tech Meetupの楽しみの1つです!
おわりに
今回も非常に多くの方にお越しいただき、大盛況のうちに終了しました。ご参加、ご応募いただいた皆様ありがとうございました。
参加者の皆さんにお伺いしたところ、OSSコントリビュート経験のある人は全体の3割ほどで、名古屋でもOSSの盛り上がりを感じました。
最後に改めてですが、ヤフー名古屋 Tech Meetupは東京大阪に行かなくても社会人・学生問わずクリエイターが交流でき、活躍できる場の創出を目指しています。人と人をつなげ、東海地域を東京大阪に負けないくらいもっともっと活発にするべく活動しています。第5回の企画や番外編の公開も始まっていますので、関心を持ってくださった方はこちらのconnpassグループから最新情報をキャッチアップし、遊びにきていただければと思います。お待ちしております!
写真:ヤフー名古屋公式カメラ隊 河原崎英夫
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