こんにちは。ヤフーのエンジニアカルチャーまわりを担当している善積(@xen_tokyo)です。
Bonfireという技術・デザインコミュニティの構築や統括をはじめ、エンジニアやデザイナーにとって、モノづくりのカルチャーを良くするさまざまな取り組みをしています。
本日30歳を迎えました!パチパチ。景気良く30代一発目のアウトプットをキメていきたいと思います。
今年の夏にDevelopers Summitで「Yahoo! JAPANのコミュニティが生み出す価値」という話をしましたが、この取り組みからそろそろ一年がたちます。
まだまだ道半ばですが、第19日目のアドベントカレンダーでは、この一年の振り返ってみて、コミュニティをリードしていくうえで大切だったことを3つほど話していきたいと思います。
1. コンパスを用意する
イベントプラットフォームの”Connpass”さんにはいつもお世話になっていますが、今回は”Compass”の話です。
サービス規模が大きくなってくると、アプリやサーバーサイドなどエンジニアの役割は分割していきます。
彼らはもちろん自主的に成長してくれますが、”会社として”どう成長してもらいたいかを考えるとなると、理想に近づけているかどうかを判断できるコンパスが必要になってきます。
Bonfireでは、どのように成長してもらいたいかを3つのバリューとして定め、コンパスとして掲げています。
Be Elastic
特定の領域に縛られない柔軟さを持つBeyond the Inside
サービス・会社の域を超えて、さまざまな意見や取り組みを尊重するFor User
知識共有にとどまることなく、サービスが抱える課題の解決に活かす
エンジニアの役割が分割したとしても、上記のようなバリューが技術領域を超えて機能することで、進むべき方向を見失わずに成長できます。
また、サービスが多様化することでエンジニアは組織的にも分割しますが、このバリューを発揮するコミュニティがあることで、エンジニアのつながりを形成・維持することができます。
これらコンパスの存在は、サービス運営のみにとどまらず、参加する価値のあるコミュニティを構築するうえでも欠かせないものです。
2. 熱量が高いエンジニア層と経営層の間でドライブするリーダーの存在
両者をつなぐというよりは、それぞれのニーズを汲み取りつつ、主体的にプロダクトアウトする存在がコミュニティ構築には必要、という話です。
熱量の高いエンジニアが社内にいる場合、独自のコミュニティを築いていることも多いかと思います。
会社としてコミュニティを構築するにあたって彼らを抜きにすることは考えにくく、前項のバリューや理想に共感してもらいジョインしてもらう必要があります。
しかし何の信頼も抜きに、いきなりバリューや理想に共感してもらうのは難しいでしょう。
共感を得るにあたって、方法はいろいろあると思いますが、私は信頼を築くために以下のような事をしていました。
- 彼らのコミュニティのLTで登壇
- 彼らが普段抱えている課題の解決
- イベント運営の手伝い
長期的な技術戦略や事業戦略を担っている経営層が、上記のような事に時間を割くのはあまりオススメできません。
一方で、会社としてどう成長するといいのかについては、現場のエンジニアから提案されることもないでしょう。
技術戦略をベースに自由と裁量を活用でき、エンジニアと経営層の間でドライブするリーダーの存在が、コミュニティ構築には欠かせなかったと言えます。
3. リーチの限界を超えていく
この一年、Bonfireや社内LTといったコミュニティを中心に盛り上げてきましたが、やはり技術ナレッジの共有という目的だけではリーチに限界が見えてきました。
その限界を超えていく取り組みを最近増やしているのですが、なかでもインパクトが大きかったのは、Twitterでのふとした絡みから、LODGEを会場提供をさせていただいた「筋肉.swift」です。
詳細については素敵なまとめ記事があるので参照していただきたいのですが、このイベントに登壇した弊社の2名は、技術ナレッジの共有だけではリーチできなかった層です。
Bonfireのように、ある程度プロダクトの枠組みが決まってくると、その枠組みの最適化にメンバーの目線は向かいます。
もちろんそれはそれで大切なのですが、リーダーが同じ目線にとどまらず、次にメンバーが「やってみたいこと」を示せるかどうかが、コミュニティの将来にとっては重要でしょう。
「技術ナレッジ × 何か」が生み出す可能性を見出だせた夜だったので、今後も様々な可能性を追求していきたいですし、そのようなイベントはぜひご一緒させていただきたいので、Twitterでぜひ絡んでください。
まとめ
この一年、コミュニティを構築していくうえで感じたのは、これもある種のプロダクトであり、サービスを考えるスキームの活用や、パフォーマンスを同じように発揮するべきだ、ということでした。
年明けの1月9日にはBonfireの新しいシリーズ「Bonfire Next #1」を開催します。
スマートスピーカーの登場で注目されるVUI(Voice User Interface)や、中国などで実用化され始めている顔認証による注文など、多様化するインターフェースをサービスはどう活用していくべきなのか、について議論できたらと思っています。
弊社のConnpassで近日中に告知しますので、今のうちにぜひフォローをお願いします!
それでは!
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